あっ先輩だ!挨拶しなきゃ!
こっちにも先輩だ!挨拶しなきゃ!
敢えて先輩の多いところへ突入して卑屈な態度をとる事が目的であるかのようだった。先輩に話しかけられると電流を流したかのような最敬礼状態になってたし。

彼女には印象に残ってる挨拶があるんだが、
3年生の修学旅行へ行く長い行列があったんだけど、下級生は行列から逃げるように小走りで消えるのが普通。

彼女は誰も見ていないだろう片隅で行列が通り過ぎるまで挨拶してるの。ずっと十分くらいw。
ひたすら首をカクカクペコペコする後姿を校舎の2階から見ていたんだけど、こんにちはーこんにちはーと鳴くような彼女の挨拶が聞こえる度に凄い空虚な気持ちになったな。でもきっと彼女は恍惚の表情になっていたのかもしれない。

とても不思議な思春期の体験だった。