小学校でも4年生くらいになると、男女お互いの目を意識するようになるね。
男子は不特定多数の女子が泣いててもスルーするけど、女子は男子が泣くと、後で泣き顔批評したり、噂立てたりしてた。
だから、「女子に泣かされる」じゃなくても、女子の前で泣くのは恥ずかしかった。

4年生の時、女子3人と一緒に下校して、家の前に来たら、母親が怖い顔して待ち構えてた。
登校前に言い合いして、思い当たるところがあったから、すぐ叱られるとわかって、じゃあ、と女子に声かけて追い払おうとした。
同時に母親に「すぐ来なさい」と玄関に連れ込まれたから、女子もぴんと来たんだろうね。
「ここではやめてくれ〜」と思ったのだが、ぴしゃっとドア閉められて、家に上がらないうちに説教された。
外で女子が聞き耳立ててるのは気配でわかったが、立て続けに強く叱られて、たまらず小声で言い返したら、頬はたかれて「何が言いたいの、はっきり言いなさい」と言われた。
元々家ではひどい泣き虫だったから、この時点で涙ぼろぼろ、しゃくり上げ混じりの涙声での言い合いになった。
5分くらい泣きじゃくりながら言い返してたら、「外で考えて来なさい、自分が悪いと思ったら入ってきなさい」と言い放たれて、玄関の外に出された。
案の定、運悪く開いたままだった門から、ドアのすぐ前まで女子が入ってきてて、一部始終を声潜めて笑いながら聞いてた。

学校で男子と喧嘩しても絶対に見せないような、涙まみれで、目の周りだけでなく、頬から耳まで熱くなったひどい顔を間近でじっと見られた。
恥ずかしくて何も言えなくて、激しい泣きじゃくりが止められなくなった。
「へーえ、○○くんって、うちではこんなに泣くんだ」「ママが厳しいと大変だね」「けっこう頑張るじゃない」とかからかわれた挙げ句、
「○○くん、意外と泣き虫なんだね」と、とどめの「泣き虫」というフレーズを言われて、また悔しくて涙が一度にあふれ出してしまった。
「もう謝ったほうがいいよ」「一緒に言ってあげようか」とか、揶揄混じりで言われた後、結局5分くらいで「じゃあね」と去って行った。

家に入って、号泣しながら母親に謝った後、部屋にこもって悔し泣きした。
30分以上涙も嗚咽も止まらず、夕食の前に洗面台の鏡を見たら、まぶたも鼻も真っ赤に腫れ上がってた。
寝る前にもまだまぶたが腫れてる顔を見たら、また屈辱感がこみあげてきて、布団に入って号泣。
翌朝、女子3人組にまた顔をじっと見られたが、何とか泣くのはこらえた。