>>763続き

母の実家に帰った時は、しゃくり上げは止まってたが、まぶたはまだ熱かった。
鼻にまだ涙が流れ込んで、時々鼻すすってる状態。
母親に「どうしたの」と聞かれて、しゃべったら声が湿って、また泣き声が漏れそうになった。
転んで用水路に落ちたと短く答えて、タオルもらって濡らして手足やズボン(短パンだった)の泥を拭いた。
15分くらいで法事が始まる時だったから、涙がこぼれそうになるのを必死でこらえて、近くのお寺に行った。
ズボンはまだ湿ってて、正座してる脚に濡れた感触が伝わって、惨めな思いで唇嚙んでるのを、斜め前にいた従弟にちらちら見られた。
うっ、とまた泣きそうになるのを飲み込んで、目頭が熱くなって、涙が盛り上がってるのがわかったが、何とかこぼさずに耐えた。
鼻水が漏れたのは手でぬぐったが、まぶたも鼻も真っ赤に泣き腫らした顔(家では鏡で何度も見てた)は隠しようがなかった。
幸い、法事の後はすぐに帰れたが、従弟と顔合わせることはなかったが、からかわれたらまた泣かされてたと思う。

母の実家では、幼稚園の頃から猫に引っかかれたり、母に叱られたりして、それまでにも何度か泣いてた。
だから、多分従弟にも親戚にも泣き虫と思われてた。
学校では絶対泣かないようにしてたから、田舎で同級生がいない所でよかったと思った。
学校でいったん、それも下級生に泣かされたら、それ以後は泣き虫に一変して、しょっちゅう大泣きしたかも知れない。
弱虫、泣き虫と思われると、集中的に泣かされるからね。