俺の話ではなく友人の話。
彼はどうしても早稲田大学に行きたかった。
理由は偏差値が高い私立大学だから。
笑ってしまうが本気だった。
では偏差値の高い国立大学をなぜ目指さないかというと数学が全然ダメだったから。
現役で受験したのは政経・法・教育。商学部を受けなかったのは偏差値が低めだから。
だが見事に全て不合格。彼は一年浪人し、再び早稲田の政経・法・教育に挑んだが、
再び玉砕した。彼の母が、彼の机の中から「●●総長様(当時の早稲田の総長で著名
な法律学者)、お願いです、僕を早稲田大学に入れてください」と書いた紙を発見し、
涙が出たという話を聞かせてくれたが、俺も他の友達も涙より笑いを堪えるのに必死
だった。
だが彼も一浪していたから滑り止めに明治大学を受けていた。そして合格していたので、
二浪することはなかった。
ところが明治大学に入学したものの、必死に代々木ゼミナールなどで勉強し、翌年、彼は
早稲田大学に合格した。政経学部に入学したのは偏差値が一番高いからという理由。
それから4年、バブル真っ最中で、大学名だけで就職できた時代を迎え、彼は大手生保と
大手通信会社に内定した。彼は後者を選んだ。その理由は@大手生保の役員が東大出身の
内定者をちやほやしたこと、A後者は日本最大の企業(当時)だから。
早稲田で4年間何を学んだか・・・特に印象に残るものは無かったそうだ。彼女も作らず
(できず)、ただ早稲田ブランドだけを誇りに過ごしたようだ。
こういう人もいる。目的意識は人様々だとつくづく感じた。