2年前にガソリンスタンドへ行った時の話。あの痛ましい事故は今でも鮮明に覚えている。
私がガソリンを入れている最中、隣に空気が全然入ってないタイヤを履いたトラックが止まった。
どうやら空気圧の点検を怠っていた為に減っている様だった。
私は車が汚れていたので、洗車を頼みつつ店内に入って暫く外を眺めてた。
店内からはピット作業をしている所が見れたので、私は
さっきのトラックがピットに入って来たので、ぼんやりと作業を見てた。
で、新しいバイトだと思われる可愛い茶髪の女の子が、先輩の指導を仰ぎながら黙々と作業の手伝いをしていた。
作業員が空気の入っていないタイヤを外し、女の子が空気圧を入れる様に頼まれた所で痛ましい事故は起こった。
女の子が5分経ってもずっと空気を入れつづけているので、私は
「トラックのタイヤは空気を入れるのは大変なんだろうな〜。女の子なのに大変だな。」
と思った瞬間、「ズドン!!」と言う爆音と共に女の子の頭が弾けて赤い血の霧が舞い上がった。
同時に店内の窓ガラスをブチ破って何か光る物が突っ込んできた。店長が、
「救急車呼べ!!一旦店閉めろ!!誰かタオルもってこい!!、〇〇(女の子の名前)
の体を抑えてろ!!(激しく痙攣してのた打ち回ってた)」と動転し、
私は何が起こったのか確かめようと、店内に飛び込んできた物を探し出した。
それはトラックのホイールだった。大きさは直径1メートルはあったと思う。
女の子は頭が半分吹っ飛んでいて、ピクピク痙攣しながら「うぅ〜、ふぅ〜」と細い息をしていたが、
私は彼女がもう死ぬだろうと分かった。何故なら血にまみれた脳が見えていたのだ。
彼女が自分の手で脳みそを抑えていた光景は今でも忘れられない。
救急車が到着する間もなく、白目を剥いたまま彼女はゆっくりと目を閉じた…。
次の日にその事故をニュースでやっていて、原因は女の子がタイヤに空気を
20キロ入れようとしていたことが原因だった。恐らく、2.0キロと20キロを間違えたのだろう。
普通はタイヤが膨れ上がった所で気付くだろうが、女の子だから分からなかったのだろうか。
翌日、スタンドに行くとその女の子が接客をしてくれることになった。私は遠慮して
「窓は拭かなくて良いです。大変でしょうから自分でやりますよ。」と何もさせないように気遣った。
しかし、女の子は、「大丈夫です。もう治りましたのでご安心ください。」と笑顔で答えてくれた。
そして、料金の精算の時に私は彼女からキャンディーを貰った。おいしかった…。
そのキャンディーは甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいキャンディーを
もらえる私は、きっと特別な存在なのだと感じました。
今では、私がおじいちゃん。孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら、彼もまた、特別な存在だからです。