小さい頃飼ってた茶トラのオス猫
賢くて可愛かった
いつも寝るのも一緒で、どこでも付いて来た。
いつかふざけてキャン玉をひっっぱったら
右顎を引っかかれた。まだうっすらと傷があるんだ。
夕食の時、一度だけ爺ちゃんの魚を取って
いつもは優しかった爺ちゃんが怒って椅子を持って猫をおいまわし
たりしたこともあったな。で、
ある日突然姿を消したと思ったら
5年後にまた家に帰ってきた。黒くすすけて耳と鼻に傷をつけて。
俺は「どこにいってたんだよ、心配したんだぞ」と
嬉しくてひたすら抱きしめた。また一緒に寝る日が続いたけど
しばらくしていなくなった。
多分最後の挨拶に来たんだろうな。寂しかったけど
もう帰ってこない事は心のどこかで分かっていた。
今でも茶トラの違う猫を実家で飼ってるけど
やっぱり賢くて可愛い猫だ。そいつも
いなくなっちゃったらしいけど
あいつの生まれ変わりなら絶対に戻ってくる
と信じている。

不思議な事に、うちは茶トラの猫が迷い込んできて
かうことが多い。
きっとあいつとの縁だと思う。