子供の頃、風邪をひくたびに連れられて行った内科医院があったが
幼稚園の頃のあるとき、風邪でいつものようにそこの診察室に入るとき
先に診察を受けたセーラー服姿の女子高校生が近くのベッドに上がり
看護婦さんにカーテンを閉められるのが見えた

カーテンの中で何が行われるのかはわかっていた
そこはいつも僕がお尻に注射をされている恐怖のベッドだった

数分後にはそのベッドで僕も彼女と同じ痛みを味わうことになった
いつものことではあったが泣き声をこらえることができなかった

その後も注射で泣くたびにセーラー服の我慢強いお姉さんのことを思い出した
スカートをまくられたまま静かに激痛に耐える彼女の姿を思うと
どうして男の自分が泣いてしまうんだろうと悔し涙が出た