小4の秋頃、Sという女が転校してきた。
見た目からして生意気そうで、実際気が強く頭もいい女だった。
当時ヤンチャだった俺は、事あるごとにSと揉めてた。
時には本気で殴る蹴るの喧嘩もしたこともあった。
気の強いSは絶対に謝らなかったし、絶対に涙も見せなかった。
Sとは家が近く、たまに口喧嘩をしながら一緒に帰宅したこともあった。

そんなSが、5年になって転校することになってしまった。
照れくさくて特に別れの言葉も無く、Sは転校して行った。
せいせいした想いとは裏腹に、ちょっぴり寂しかった記憶もある。

今思えば、俺はSのことが好きだったのかもしれない。
Sが俺のことをどう思ってたのかは知らない。
出来ることならもう一度会って一言謝りたいし、当時の思い出も語りたい。
30を過ぎた今、気の強いSはどんな女になっただろうか・・・。