漏れのふるさとは、某県の山間部、某街道に面した市場町から発展した市。
大正から昭和中ごろにかけては繊維で大いに栄え、東京からも京都からも
買い付けの人が殺到し、町の通りは身動きできないほどにぎわったそうな。

漏れの小学校のころは、まだ織物工場をやってる家の子がたくさんいたなあ。
家は目抜き通り(旧街道)からちょっと入ったところだったので、ちょっと高い
服屋さんのショーウィンドーや食堂のサンプルに見入ったり、駄菓子屋でアイス
を買ってゲーセンや映画館や神社を行ったり来たりした。
町に2つある大きいおもちゃ屋のどっちにいつガンプラが入荷するか噂を流したり。

楽しかったなあ。
今ふるさとに帰ると、はやってるのは隣の田んぼの中にあるでかいジャスコだけ。
目抜き通りは、2軒に1軒は空き店舗でシャッターが下りてる店ばっかり。おもちゃ屋も
服屋も閉店して、新しい店は福祉用品の店くらい。
小さいローカル百貨店も、木造三階建ての立派な織物会社の本社工場も閉まってるし。

まあ国道の両側にちょっと家と工場が密集してるだけの小さな町、車で3分あれば
通過できてしまう町、見上げるような山々に四方を囲まれてしまってる町、観光名所は
小さい寺と平凡な温泉だけのコレといった売りのない町、繊維の後の産業が見つからない町、
高校の同級生は学年の5分の1しか地元に残らない町・・・
こんな貧相な市ですが、漏れの大好きなふるさとです。GWには一度帰ろうかな?