連休中に8年ぶりに実家に帰った。
母さんが小さく、細くなってた。糖尿病の話をしてた。
ひざも良くないらしい。介護保険がどうのとも言ってた。
実家には姉の子供(孫)の写真が飾ってあった。
その中にオレのチビの頃の写真も飾ってあった。

ウチは貧乏だったので、母親はスーパーのレジ打ちや、
近所の公共施設の掃除などしていた。
小学校の時、友達と通学する際に母さんが膝をついて
掃除する姿を友達に見られるのがすごく恥ずかしかった。
いつも遠回りして通学した。
何度頼んでもファミコンも買ってもらえなかったので、
何度もわがままを言った。

どこかに「母の慈愛は海より深い」と書いてあったが、
今想えば物は与えられなかったが、『愛情』は受けたと思う。
姉から聞いた話だが、オレが高校受験の時には合格発表
までの間、毎日夜、神社に行って祈っていたらしい。
留年するしないの時も、警察に世話になった時も、いつも
夜そこで祈っていたらしい。

今は「アンタが母親でよかった」と素直に思える。
ただ、今のオレはどうしようもない。自慢できる事が無い。
上半身スミだらけで、人様に言えない様な仕事をしてる。

だが、明日、上の人間に今の仕事を辞める事を言う。
母さんに「アナタが息子でよかった」と思ってもらう様に
生きていく為に。