昨日の夜、居酒屋で焼酎飲みながら、モロキュウつまんでたんだ。
キュウリ食ってたら、子供の時の記憶が急に蘇ってきた。

あれは小学校1〜2年の頃だったか…
遠足の日に、母ちゃんが作ってくれた弁当を開けたら、
竹串に、キュウリとチーズが交互にね、刺さってんの。
俺、ガキの頃からそういう酒のつまみ的な食い物って好きだったから、喜んで食べようとしたんだ。
そしたら同級生が「こいつキリギリスのエサ食ってる!」って笑い出したわけ。
キュウリが結構大ぶりだったからかな、虫のエサっぽく見えたんだな。
クラス中に俺の弁当笑われてさ。
俺は悔しくて、家に帰った後母ちゃんに怒ったんだよ。
「母ちゃんのせいでキリギリスって言われた!もう母ちゃんの弁当なんていらん!」って。
母ちゃん、困ったような悲しいような顔しながら、
「ごめんね、ごめんね、今度はもっと美味しいもの作るから、ごめんね」
って、謝ったっけ。

俺、まだあの時のこと母ちゃんに謝ってないなって思ったら、涙が出てきた。
今更そんな話したって、母ちゃんは覚えてないかもしれないけどね。
母ちゃんもう随分歳だけど、まだ生きててよかったな。
今からでも、あの時のこと謝れるからな。

ごめんな母ちゃん。
でも、本当は美味かったんだよ、あのキリギリスの弁当。