幼稚園に入園したばかりの小さい頃、電車で一時間程離れた所にあるお祖母ちゃんの家によく遊びに行っていた。
母方のお祖母ちゃんだからお母さんも気兼なく行けるようで、母さんと兄ちゃんと(当時小1)弟と俺の4人でしょっちゅう出掛けてた。
お祖母ちゃんの家には同い年の従兄弟一家も住んでいて、部屋で遊んだり外で従兄弟や従兄弟の友達と走り回っていた。
ある日、俺と兄ちゃんだけでお祖母ちゃんの家に泊まることがあった。
俺はお泊まりが大好きだった。(母さん付きだったけど)
特に今回は母さんがいない事に妙にテンションがあがり浮かれきっていた。
よその家で食べるご飯や、従兄弟達とお風呂に入ったり子供大勢で布団を並べて寝るのが何故かとてもワクワクした。そして翌日に電車で帰った
ひとりではとても帰れない複雑な路線でも、電車好きな兄ちゃんがテキパキと切符を買い、乗り換えをしてくれるので、俺は兄ちゃんの手を繋いでいるだけで良かった。
そんな兄ちゃんは駅を降りた帰り道に友達に会い、そしてそのまま遊びに行ってしまった。
だから帰りはひとりだった。家に着くと俺は弟がお昼ねをしているのではないか、と思い小さな声で『ただいまぁ…』と言いながらソロソロと中に入る。
すると母さんは部屋でアイロン掛けをしていた。俺の気配に気付くと、ゆっくりと振り返り『おかえりぃ。お兄ちゃんと2人で疲れたでしょ?』とにっこり微笑んでくれた。
俺はかなりびっくりした。普段ははっきり言ってかなり厳しいひとだった。いつだって叱られて泣いていた。
そんな母さんが今
俺に優しく微笑んでくれている。何故か照れ臭くて、でも嬉しくて…。10分もすればすぐに元の母さんに戻ったけど。それからはお祖母ちゃん家よりも、お祖母ちゃんの家からの帰りが大好きになった。
家に帰ればいつだって優しく微笑んでくれる母さんがいた。そして恐い存在だった母さんの事ちょっぴり好きになった。


意味分からんかったかな??