裁判まみれの伊藤

【 東京地方裁判所 平成29年(ワ)43614 】 
1 争点(1) (本件記事1が被告らの不法行為に該当するか否か)について

(1)ア 被告伊藤の施術等について記載した記事であると認められる。
    イ  原告■■の説明不足に起因する可能性が高いとの論評を加えたものと認められる。
   ウ(ァ)原告■■及び原告医院を運営する原告法人の社会的評価を低下させるものと認めるのが相当である。
    (イ)原告■■及び原告法人の社会的評価を低下させるものと認められる。
   エ そうすると本件記事1の掲載については、前期ウで述べた社会的評価の低下につき不法行為(名誉棄損が)が成立することとなる。

(2)ア 被告らは、本件記事1につき、原告らの及び原告医院の氏名及び名称等を摘示しておらず、原告らに関する事実摘示又は論評ではない旨を主張する。
   イ しかしながら、本件記事1の末尾部分の構造は以下のとおりである。

   (オ)当該リンク先に表示された内容証明郵便においては、訂正を求めた相手先が「■■■クリニック(原告医院)の■■医師」、すなわち原告■■であることが読み取れる。

(3)ア また、被告らは、本件記事1は、患者の誤解の可能性を指摘しており、原告らの社会的評価を低下させるものではない旨を主張する。 
   イ 事実摘示Aに係る原告らの社会的評価の低下は、なお存在すると認められ、また本件論評は、前期のとおり、
事実摘示Aに掛かる上記の齟齬につき、原告■■の説明不足に起因する可能性が高いとの論評であって、これにより原告らの社会的評価を低下させるものと認められる。

(4)そして、被告らは、本件記事1と患者■との関連性につき不知としており、事実摘示@およびA並びに本件論評に関し、当該事実又は本件論評の前提となる事実につき、
何ら真実性又は真実相当性に関する主張をしていないから、前期(1)エで述べた不法行為につき、違法性阻却事由があるとはいえない。