「被害者ならば何をしても許される」――そう思い込んで被害者のふりをする人が、いま社会に蔓延している。
必ずしも自分が実際に被害を受けたわけではないのに、あたかも被害者であるかのように装い、まわりの人々を味方につけて誰かを攻撃する人たち。
この人たちは、本来救済されなければならない「リアル被害者」とはまったく異なる人たちだ。

被害者ぶる人たちは、なぜ自分が被害者であるかのように装うのか。

精神科医である片田珠美氏の著書『被害者のふりをせずにはいられない人』(青春出版社)の一部を紹介する。

 いまの社会でもっとも強い人は誰か。

 逆説的な表現だが、それは「被害者」である。