【湿潤療法】
※切除縫合法のケアには不向きです。その他のケアには非常に有効。
「傷は潤った状態を長期間維持することで綺麗に早く治る」という新概念。
絆創膏売り場で売られている「ハイドロコロイド」という素材が主に用いられる。

※出血が続いているときにはハイドロコロイドは貼れません
必ず血が止まったのを確認してから貼ってください
出血したまま貼ると内側で瘡蓋のように血の塊ができてしまいます
出血が止まりにくいときは取り敢えずワセリンで湿潤療法をしながら止まるのを待ちましょう
血の塊を防ぐ意味でも、湿潤療法初期にハイドロコロイドの貼り替え頻度を増やして傷を確認することは、安全策になります
(ただしなるべく貼り続けて傷の環境を安定させるほうが回復に良いという意見もあるので、
明らかに透明の滲出液しか出ていないときは長く貼るほうが湿潤治療効果を最大限引き出せるかもしれません)

●湿潤療法.1
傷が乾く前に、ハイドロコロイドと呼ばれる最新の絆創膏を貼る。
水道水で軽く流した後に水分を拭き、ハイドロコロイドを貼るだけ。
最初は1日に一回以上貼り替えて、その後は浸出液が素材から溢れなければ数日間貼ることも可能。
開始から2〜3週間で素材が体液で白っぽく膨らまなくなったら上皮化完了の合図で、治療終了。
皮膚が乾いていることを確認し、色素沈着を防ぐために日焼け止めなどに切り替えていく。 (保湿も重要)
日焼け止めは最低3か月使う。(湿潤治療をしていなくてもホクロ除去後は肌が弱いのでシミ対策は必要)

●湿潤療法.2
ワセリンやゲンタシン軟膏などを傷に塗って乾燥を防ぐのも、湿潤療法の概念からきている。
傷の表面をワセリンなどで被うことで、傷から出た体液(滲出液)が傷表面にとどまり、回復を促す。
オロナインなどの白っぽいクリームを基剤としたものは、皮膚の再生に有害なので使用できない。
透明なワセリンを基剤としたものを使用すること。
塗った後はラップで被覆したり、テープを貼ったりすることが一般的。
(中にはハイドロコロイドと併用する人もいる)