>>760
なかなかいい着眼点だな。
面倒だが意義深いので特別に図を追加してやったわ。
コイル上の導体棒が直径からズレた場合はこの図のようになる。
http://imepic.jp/20190708/830180

下左図は導体棒が左にズレた場合だ。
黄色の矢印がベクトルポテンシャルであり、
コイル電流は同心円状のベクトルポテンシャルを作るから
導体棒上では図のようになる。

導体棒方向に対してのベクトルポテンシャルは総じて下側を向くことになるので
その誘導電場ー∂A/∂tは上向きとなる。
つまり、ズレたことで「磁束が多くなった右側ループによる逆起電力」が
優勢になるという考え方と一致するのだな。

次に、磁場の中心付近にある2つの隣接する四角形ループについてどうなるかだ。
下右図に示すとおり、共通の辺(黒)は直径上にあるため誘導電場は発生せず
残りの3辺(黄)には同じ回転方向に誘導電場が発生する。矢印は誘導電場ー∂A/∂tの方向だ。
このことは、下左図を90度ずつ回転させてそれを1辺ずつに対応させればすぐに分かるよな。

つまり、「一様な磁場」とか「一定の磁場」とか単に「磁場」と言っても
実際にはベクトルポテンシャルの回転があるわけで完全に対称的にはならんわけ。
一様な磁場と言っても実はその真ん中があるのだな、例えば円コイルのド真ん中だよ。
ここに小さな四角形ループを置くと4辺とも同じ誘導電場を対称的に生じることになるのだ。

だから「一様な磁場」で2つの隣接する四角形ループを置いたなら
それは下右図のように4辺とも同じ誘導電場を生じることにはならんわけ。
共通の1辺には誘導電場は生じない、そういう非対称なことになってしまうのである。
隣接するループ同士で打ち消しているのではなく
もともとこの1辺の辺方向の誘導電場がゼロなのである。

だからな、単に
「一様な磁場に1本の導体を置いたときに誘導起電力は発生するか」と聞かれたら
それは磁場のド真ん中に置くことになろうから「誘導起電力はゼロ」が正解なんだよ。

どうだ。
ファインマン大先生はこんなこと書いてくれておるのか?
どの本もここまで書いておらんだろうから、図ともどもコピーして永久保存しとけよな。

くっくっく