静止と等速直線運動は等価であるというのは事実であるが、静止と等速直線運動は
区別できるし、区別しなければならないというのが物理の基本だ。

定義であろうが、原理であろうが、間違っているものは、間違っていると指摘し、
正すのが物理学者の良心というものだ。

1の支配の原理の理論的構造を研究して、おれはハッと気づいた。そこには支配の
構造が歴然と存在することを。

地上は等速直線運動で走る電車を支配しているが、電車は地上に支配されている。
地上から電車の速度を測ることはできるが、景色の見えない電車から地上の
速度を測ることはできない。これが支配の構造であり、速度を計れる側は速度を
計られる側を支配しているということだ。