一度知的生命体が誕生すればそれはごく短期間に指数関数的な進化を遂げ、絶滅など考えられないような生命が創造される事は
容易に予想がつく。これは生命が誕生進化するという人類には遠い昔、まったく神秘の領域の話よりよほど容易な予想であると言えるだろう。

科学者は文明の存続期間をわずか数万年から数十万年と予測している。そうでもしないと宇宙に文明が溢れすぎて困ってしまうからだ。
本当にそんな事がありえるだろうか。文明を持った知的生命がその誕生惑星、地球を出ない、進化も一切しないという前提なら
環境変動や資源枯渇に耐え切れず短期間に絶滅するという可能性も十分考えられる。しかし科学技術文明を備えた知的生命が
進化も宇宙進出もしないと考えるほうが普通ではない。

人類だって地球を出れば、地球一つの環境変動に一喜一憂する必要はなくなるし、太陽系を出れば太陽の消滅にすら耐えられるようになる。
銀河一帯で繁栄するには人類の体は脆弱すぎるかもしれないが、科学技術文明が進化すれば機械の体を持った知的生命が生まれるのも
時間の問題であろう。そうなれば知的生命の存在にはもはや水も大気も地球型惑星すらも必要なくなる。超長期の恒星間航行にも余裕で耐えられる
ようになる。このような事が実現するのにどんなに長く見積もっても100万年以上の歳月はかからないであろう。

つまり知的生命が誕生しさえすれば宇宙の歴史からすればごく短期間でそれは銀河をまたに掛ける超知的生命体に進化するという事だ。
そんな大繁栄する筈の文明の痕跡が全く見つからないという事は考えられない。つまり従来考えられていたより生命誕生の可能性はより低く、
文明存続の可能性はより高い。ならば人類はおそらく少なくとも観測対象の宇宙の中で最初の知的生命であると考えるのがもっとも合理的な
思考であろう。