私達が生きているこの世界のしくみを解き明かそうとして、人々は物理学を発展させて
きた。今世紀に入り、量子力学の到達した一つの知恵は、この世界は、作用素とその固有
関数によって記述され、支配されていると言う原理であった。
一方、数たちが生息している「ゼータ惑星」の神秘を解き明かそうとして、人々は数論を
発展させてきた。そして、ゼータ惑星にもまた、この世界と同様の原理が存在するのではな
かろうか、すなわち、ある種の作用素とそのスペクトルを研究することで、数論の神秘は
解き明かされるのではなかろうか ------- そんな哲学を抱いて、数論の新しい分野が誕
生した。それは「数論的量子カオス」と呼ばれる。
もはや、物理学と数学は切っても切れない関係にあるのである。さぁ、語ろう。