当時のヒーローは優等生で模範的であるのが当たり前だった
今のように内向的にウジウジ悩んだりはしなかった
万城目もハヤタも基本的にそれを踏襲していた
モロボシ・ダンのように地球人と宇宙人の狭間で苦悩するようなキャラは彼が端緒で当時のヒーローとしては極めて特殊だったのだ

ハヤタはウルトラマンと一心同体だか同一人物ではない
そして作品の主役はウルトラマンでありハヤタではない
そうなればハヤタについては自ずとキャラが希薄になり無機質な優等生的側面だけが強調されることにどうしてもなってしまうのだ
これでハヤタのキャラを必要以上に描きこもうとすれば当時の感覚だと情報過多になって視聴者は混乱してしまうことだろう

それでなくてもウルトラマンというそれまでに存在しなかった類いのキャラクターが主人公なのだ
隊員達の名前を基本カタカナ表記の苗字だけにしたりキャラ付けも最低限にして分かりやすく整理しているのは、全く新しいフォーマットを提示する際に計算し尽くされた優れた作品設計だったのだと改めて思い知らされる