恐らく当時日本でも話題になっていたアメリカのドラマ『アウターリミッツ』や『トワイライトゾーン』などを目指したのが
「UNBALANCE」だったに違いない。のちに円谷プロは、この企画と同じタイトルをもつ『恐怖劇場アンバランス』(1973)
という連続テレビ作品を作ったが、これは有名な『怪奇大作戦』(1968-69)の流れを汲む番組だ。
このふたつの怪奇作品と『ウルトラQ』(1966)を含む三作品は、すべて幻の企画「UNBALANCE」の路線上にあり、
これらはみな同じ遺伝子をもつ兄弟作品といっていいだろう。
ただし対象年齢層が高かった他の二作と違い、『ウルトラQ』にだけ巨大な怪獣が頻繁に登場する。

当時はゴジラ映画が栄華を誇っていた時代。
視聴率的な判断から怪奇物語が怪獣路線になり、そのことがのちにウルトラマンの土台となったことからも、
怪獣ドラマとしてのウルトラQの貢献度は大きいし、正しい判断だったといえる。
ただ、怪獣たちが載ってた大百科を読み込んでいた小学生当時の僕には、巨大ヒーローのでてこない白黒作品の怪獣ドラマというのは
退屈に思えたし、事実、当時の再放送で数本見ることができたウルトラQは退屈なものだった記憶しかない。
その後ずっと『ウルトラQ』に関しての僕の興味は断然、謎の最終回「あけてくれ!」だけに向けられていたのだ。