ウルトラマンの敵の多くは人類の常識を超えた謎の存在だよね

バルタンの「生命とは何か」が象徴するように、我々とは相容れない価値観の別世界から飛来したようなのが多かった
ブルトンみたいに怪獣なのか何なのか最後まで分からなかったり目的がハッキリしないような奴もいた
だからこそ物語がバラエティにとんでいたんだ
「ウルトラQ空想特撮シリーズ」の名のとおり、Qのセンスオブワンダーを引き継いでいる

ところがセブンは地球侵略というシリーズを通しての基本格子があったから、舞台は宇宙まで広がったけど物語の多様性は却って狭まった

相手は必ず宇宙人で、その殆どが我々と似た価値観を共有する知的生命体だ
だから彼らは度々ダンと論争をしたりする
バルタンのように人類と前提が異なっていて話が通じないようなのはいなかった
しかもダンが宇宙人と地球人との溝をちょうど埋めるような存在になっていて、その落差は益々薄まった

そういう意味では人類間の争いと同じスケール感になってあるのであり、どうしてもその狭い作劇の中でのバリエーションということになってしまう

ウルトラマンから比べるとセブンがいくぶん物取りなくつまらなくなってしまったように思えたのは、そのせいで作品世界のスケールが矮小化されてしまったからではないのだろうか