>>241
「醜聞」ね。

確かに、あの映画での山口淑子は、全編通して、何か困っているような感じの演技だった。
物語の筋書では、事実無根のスキャンダルを書き立てられた男女が、悪徳雑誌社と闘う過程で、次第に本当の愛情が芽生えてくる…という内容。
ところが不思議なことに、映画では三船も山口も、お互いの感情があいまいなまま終わっている。

この映画は、黒澤と高峰秀子との恋愛スキャンダル事件から構想された作品で、山口淑子の役は最初高峰本人にオファーされたそうだ。
三船は画家という設定なので、これは黒澤本人のことだろう。

デリケートな事件がモデルだけに、撮影の進行中に、なんらかのトラブルがあり、それが山口の演技に影響しているようにも思えるが…