軽い役ばかりなのだが、大原譲二という役者がいた。
明治天皇と〜の重臣や、さかさま幽霊にも出ている。
この人がまさにワンカットだけ出て来て、しかし
私にはショッキングな場面を持った映画がある。
監督は陶山鉄だったか題名は「女の谷エナ」といった独立プロの作品だ。
安井昇二が地質学者で九州を調査旅行しているうちに女芸人と年頃になる。
安井の家族は、ああいう人とは反対だわと言う。
私には意味がさっぱり分からないまま画面が、林の中からこの大原譲二が
貧しそうなつんつる天姿での出て来て、わたし等と決して行き会わないでくれ、
と言ってそのまま茂みに戻るシーンだ。
映画そのものは女の水浴シーンもあり、エロ映画なのだろうが、
なんだかさっぱり分からない。
その後文献をあさって深刻な内容があったと気付いた。

昭和39年代々木の予備校に通っていて新宿地球名画座での事です。