大蔵新東宝の撮影所内の雰囲気は映画内容のような陰鬱、猥雑なものかというと、
まるで違っていたらしいね。
沼田曜一が書いたのを何処かで読んだが、皆明るく闊達なもので、給料、出演料は
遅配は当たり前、出ないこともあったがそこは若さのせいか、屈託なくやっていた、と。

確か「肉体女優殺し5人の犯罪者」ったと思うが、所内の撮影現場が出て来る。
あの怖い顔の泉田洋志が大勢のスタッフの中で背広姿でにこやかに演技していた。
あの場面だけでも貴重なものだろうな。

世間が貧しかったころはそんなもの(でしょう)。