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黒澤明・乱 副題〈板に始まり板に終わる〉

0001この子の名無しのお祝いに
垢版 |
2018/09/29(土) 17:11:31.18ID:HMoR9cSX
さあ、板について語ろう!
0301この子の名無しのお祝いに
垢版 |
2023/06/10(土) 10:34:13.53ID:D5uEGsGZ
インタビュー集『十五人の黒澤明』 三橋達也

― 次が「天国と地獄」(一九六三年) になるわけですが。

実はそのにね。『用心棒』(一九六一年)に僕も卯之介役で出演する
予定だったんです。「タッちゃん、髷物なんてやる?」
「やりますやります。 何でもやります!」 「でもタッちゃん、
チャンバラは似合わなそうだから、武器はピストルにしといたよ」
とか、首のところが何か寂しいっておっしゃるから「じゃあ
スカーフ巻きましょうか」 なんでこちらから提案したりして、
衣装合わせから何まで自分たちで終わらせていたんです。

ところが、それが藤本真澄プロデューサーがちょうど『愛と炎と』
おやりになっているときで、あれはイラン・ロケの作品で出光興産が
スポンサーになっていて、撮影の延期とかが許されないんですね。
一方、黒澤組は撮影延期の可能性もあるから、もし万が一ってことが
あったら大変なので、『愛と炎と』の方を優先してくれって藤本さんから
言われてしまったんです。
(略)
そうしたら黒澤さんの顔色が変わりましたね。そのまま一時間くらい、
もう何もおっしゃってくださらなくて、それで帰ったんです。
黒澤組を自分から降りた人って、そうそういないですよね。
カツシンだってあれは降りたんじゃなくて降ろされたんだから。
あのとき黒澤さんのプライドを傷つけてしまったんでしょうね。
後になって「用心棒」を観たら、僕の時の設定を仲代君がまるまる
踏襲してやってましたね。
0302この子の名無しのお祝いに
垢版 |
2023/06/10(土) 10:58:08.71ID:D5uEGsGZ
(続き)
正直、悔しい気持ちもないわけ ではなかったけど、仲代君の
卯之介はよかったですよ。ただ、もうこれで黒澤さんとのご縁が
なくなってしまったなとずっと思っていたら、黒澤さんから
ふと呼ばれたんです。それで撮影所の控え室に行ったら
「タッちゃん、憎まれ役なんだけど、やってくれる?」と。

つまり、普通ならこれは バイプレイヤーの人がやる役(秘書・
河西役)なんだけど、そういう人がやると裏切りがばれちゃう。
これは裏切りによって三船さんが決心をするメドにもなる
一番重要なところだから、どうして も僕にやってほしいって。
黒澤さんとしては、「用心棒」の恨みで憎まれ役に仕立てたと
いうこ とではないことをおっしゃりたかったんだと思いますね。

― また黒澤映画に出演できるということは

ええ。 悪役だろうが何だろうが、そんなことはもうどうでも
いいわけです。「天国と地獄」は仲代も出ているし、むしろ
「よっしゃ!」という気分ですよね。

ただこの時は初めて僕は黒さんから駄目出しを食らいましたね。
伊藤雄之助さんら重役たちを玄関まで送るときのシーンで、
僕は既に引き抜きの話が来ているということをさりげなく
強調しようと思って、メガネをちょっといじったんですよ。
そうしたら「タッちゃん、メガネをいじりすぎる!メガネを
かけたことのない人ほどそうするんだ!」って。もちろん、
それですぐにやめましたけどね。あのメガネも銀座のイワキで
自前で作ったものです。黒澤さんは偽物をすぐ見抜いて
しまいますからね。

黒澤さんは いつも一本作品が終わると、メインスタッフだけで
お疲れ会を必ずやるんですけど、 『天国と地獄』 お疲れ会で、
黒澤さんが「今回の殊勲「甲」は誰それとタッちゃんだね」
とおっしゃってくれたそうなんです。それを聞いたとき、
何かホッとしましたね。
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