朝鮮における人糞利用
本項目では朝鮮半島における人糞の利用について述べる。

農業・畜産への利用
東アジアの他の地域と同様に、朝鮮半島では、遅くとも李氏朝鮮時代には
人の糞尿を肥料に用い便所の周囲で豚を飼育し人糞を餌とすることもあった。

薬用等
東アジアの他の地域と同様に朝鮮半島でもヒトの排泄物およびその関係品に由来する生薬を用いる治療法が存在し『東医宝鑑』等に記録されている。

民間療法薬
民間療法にも人糞を用いるものがあった。
今村鞆「朝鮮人の素人療病禁厭及迷信」『朝鮮風俗集』には以下の6件の人糞を使う療法が記載されている。

・人糞を黒飴に包み3日間夜露を受けて丸薬にして呑む
・人糞を焼いて歯に含む
・人糞を瓦石に塗って熱し水に入れてその水を飲む
・人糞に塩を混ぜて貼る
・溝を越えて自分の大便を塗り、また溝を越えて戻る
・冬に人糞と甘草の粉末を混ぜた物を竹の筒に詰め地中に埋め夏に取り出し天日乾燥させ粉にして飲む

人糞を用いた民間療法にはさまざまな方法があったと言われる。
21世紀初頭には、この習慣、特に人糞を含むトンスルを奇異なものとして報道したりインターネット上で話題としたりする風潮が日本、中国等で見られる。

ことわざ
「泣く子に大便を食わせる」と言うことわざがある

娯楽
嘗糞が娯楽化し、人糞を舐めてだれの糞かあてる遊びが流行っていた時期があるが日韓併合後に日本が嘗糞を禁止するとともに廃れる。

その他
『三国遺事』によれば、新羅の智証王の皇后は、糞の大きさで選ばれたという。
朝鮮半島に伝わる神話の中には、山河が神の排泄物によって形成されたというものがある。
また、糞は富貴・幸運・長寿等の象徴でもあり、糞を得る夢を見たり、途上で糞を踏むことは
運が良いとされた。
しかし、一般的には糞に対しては不潔という認識が強く「糞」を含む成句のほとんどは
否定的な意味を持っている。