>>426
一緒に戦えると思っていた、って

本来なら「あんたなら相手にとって不足はないと思っていた」って台詞であるべきだと思う。

話の流れからだと天皇を撃とうとした伊藤雄之助を捨て身になって阻止した文太なら、原爆から
国家を守る為にトコトン体を張るだろう、と考えて交渉人に指名、次々に無理難題をゲーム感覚で
押し付けては無事クリアできるかどうか、お手並み拝見といくか、ってのが、まあ妥当な線。

しかし映画のままの台詞だと、自分と教え子たちをバスジャック犯から命がけで救出してくれた
文太にジュリーがシンパシーを感じて、一緒に戦ってくれるんじゃないか?と、一方的な思い込みで
ストーカーしていただけ、ってことになってしまう。

一作目の「青春の殺人者」という題名も、日本語としては座りが悪い感じがあり、その辺はゴジ
独特の感性によるものなのかもしれない。しかし、ジュリーと文太の対決が作品の肝なので、
クライマックスで主役の口から吐かれる台詞がピントのあっていないものだと、テーマ性が
明確にならずに見終ってからモヤモヤしてしょうがないんだよな。

「地獄の黙示録」の肝になるウイラードとカーツの関係においても、何故捕らえたウイラードを
殺さずカーツはひたすら意味不明な言葉を語り続けるのか、台詞が意味不明であるから最終的に
仲間の首を刎ねた狂人だから殺すしかない、とウイラードが決断したようにしか見えず、えー、
これだけ引っ張って、そんな終わり方なの?とモヤモヤさせられたことを思い出す。
たとえアクション主体の映画ではあっても、ヤマ場での台詞にはもう少し気を使ってもらいたいよね。