>>322
20分短ければて意見

伊藤雄之助のバスジャック事件の発生から解決までのテンポの運びや、
原子力発電所でのウラン強奪シーンの畳みかけるようなカットバック処理を思うと、
それ以降のシーンはやや間延びして見えてしまうというのは確かにある。
リアルタイムで接した者には、あのダレ気味の展開が、70年代後半の時代の気分に
あっていたということも言えるのだが、今見て日本映画のオールタイムベストテンで
トップを争えるほどの作品かといったら、正直とてもそうは思えないw

問題はやはり菅原文太扮する刑事に対し、「あんたとなら一緒に闘えると思った」と
語りかける主人公の意図である。天皇の戦争責任を問う伊藤雄之助を一発で射殺した
文太を、権力側の守護神として標的にしていたのかと思いきや、どうやら何らかの
シンパシーを感じていたらしいのである。
水谷豊扮する交番の一警察官から、国会議事堂の守衛、果ては政府首脳までも
おちょくりまくった彼が、文太の中に何を見ていたのか?
「お前が殺したがっているのは、お前自身だ」という文太の台詞にあるように、
無意識に自分を止めてほしかったのだとか、文太の背中にかつての日本には普通に
いた強い父親像を見ていたのだとか、いろんな意見を目にするがどれももひとつ
納得がいかないのだ。長い割りに文太側の私生活面が描かれず人物像が明瞭でない
点や、池上季実子扮するDJの性格の描き込み不足などもあり、尚更そうした感を
つよく抱かせる。

ゴジには死ぬ前に本作を自身の手でリメイク(シン・太陽を盗んだ男)してもらいたい。