>>20
いや、何のかんの云って
「七人の侍」の主人公は利吉だからな。
冒頭に
「野ぶせりつっ殺すだ、みんなつっ殺すだ
 二度と来ねえようにみんなつっ殺すだ」
と主張するが、その理由がわからない。
勘兵衛に「出来ん相談だな」と断られて
泣くのも利吉。
菊千代に「馬小屋ならいいな女房と一緒なら」
て言われて「俺は女房なんかねえ」
て泣くのも利吉。
しかしその理由がなかなかわからない。
やっと野武士の砦で島崎雪子が出て来て
「あのアマはどうしたってんだ?」
「おらの女房だ」
でやっと女房が野武士にとられてたというのがわかる。
このなかなか真相がわからないで、観客の興味を誘って
飽きさせないのが黒澤のいいところで
利吉こそまさにその役の代表格だった。
その点、コンチャロフスキーの「暴走機関車」」は
それをぶち壊しにしてたから、黒澤も怒ってた。