告別式では、当時、まだ、かろうじて元気だった今村昌平監督が、
愛弟子である長谷川和彦がとても世話になったこと、『魚影の群れ』がいかに素晴らしかったかを、淡々と弔辞で述べていた

相米さんが洋画ベスト3に何を挙げたかは、忘れてしまったが、かろうじてフェリーニの『カビリアの夜』だけは憶えている。
 そして邦画のベスト3は未だに鮮明に記憶に残っている。
『小原庄助さん』(清水宏監督)
 『たそがれ酒場』(内田吐夢監督)
 『女が階段を上る時』(成瀬巳喜男監督)

今のアメリカの風土や人間をまるごと描けるのは、クリント・イーストウッドとアルトマンしかいないこと、
とくにアルトマンが女性のシナリオライターを好んで使う理由として、成瀬巳喜男と水木洋子の関係を例に引きながら、「女の肌ざわりみたいなものがほしいんじゃないかな」