昨日初めて観た。
緊迫感がすごかったし役者も熱演で引き込まれた。

ただね、どうも途中から違和感を感じ始めたんだよね。
それは井田中佐ね。
え?あんた阿南陸相の自決見届けたら当然死ぬんだよね?
これからは若い力が必要、とか陸相に言われたからってこんだけのことやって生き残るつもりはないでしょ?
最後まで自決する描写がなかったんで映画が終わってソッコー検索したら

>終戦後は在日米軍司令部戦史課に勤務した後、電通に入社し、総務部長及び関連会社電通映画社の常務を勤めた。

・・・ほんとなの?これ。91歳まで生きてんじゃん。
一億人を道連れにアメリカと本土決戦するためにクーデター起こした奴が米軍に勤務して給料もらっちゃうの???
しかも映画の元となった原作はこいつの証言に基づいてるという(他が死んでるんじゃそうなるわな)。
これ怪しいなんてもんじゃないだろ。
俺は井田中佐のその後の経歴、映画の中での扱われ方からして、この事件でもっともワルなのはこの井田中佐で、戦後この事件の真相を捻じ曲げたと確信したね。

畑中少佐らが暴走して井田中佐はその熱情にほだされて関与した(←絶対ウソ むしろ主謀で彼らを利用しただろ)
かっこいい演説で森近衛師団長を感服させた(←絶対ウソ その後のこいつの経歴がウソと証明している)
いれかわりで入った畑中少佐らが余計なこと言って師団長を怒らせたあげく惨殺(←かなり怪しい 井田がやらせたんじゃないの?)
途中から畑中少佐らに暴走をやめるよう一喝&優しい言葉(←絶対ウソ むしろもうやめましょうと諌められた側なんじゃないの?井田が)
阿南陸相から、生きて貢献しろ的なことを言われる(←ウソ絶対言われてない クーデターに失敗した軍人に生きろなどと帝国陸軍大将が言うはずない)
畑中少佐、椎崎中佐、皇居前の芝生で自決(←かなり怪しい 目撃者なしらしい。井田中佐らによる殺害の可能性も)
映画では描写されないが、井田は自殺を決心していたが予期した見張りに止められ断念したという(←これも本人による作り話で間違いない)

こういう恥知らずな卑劣漢は生きてるうちに旧軍関係者で始末をつけておくべきだったろう。電通前で袋叩きにするとか。
しかしまあ散々国民や兵隊を煽って殺したマスコミや高級軍人のうち卑劣な奴ほど戦後も重要なポストについて歴史を改変し、責任追及を逃れたんだよな。
そしてその流れを汲んだ連中がいまだに政財界の主流派なんだよ。
経済的には豊かになった一方で心の荒廃が叫ばれて久しいが、その根っこはこのへんにあるんじゃないのかね。

昨日は日曜だってのに一日義憤にかられてしまった。
誰も話を聞いてくれる人もいないのでここに感想を記す。