黒沢明の映画は今見るとつまらない、というのはまあ正直な意見なのかもしれないが、
かつては日本人に自信を与えたことは間違いない。これが大きな評価ポイントなんだろう。
「羅生門」はカンヌ映画祭で受賞し、「七人の侍」はハリウッド映画でリメイク、
「用心棒」はマカロニ・ウエスタンでリメイクされた。こういうのが大きいんだよ。
三島由紀夫は「黒沢の思想は小学6年生程度」とにべもなかったが、「世界のクロサワ」
という勲章はインテリの評価なんか押し流してしまうからね。文化勲章をもらった映画監督
は黒沢と山田洋次しかいないんじゃないか?