映画全般について語り合おう
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この時代、幕府の政策で由緒ある大名家が次々に取り潰しに遭い、江戸には浪
人者があふれ、みな生活に困窮していた。そこで思いついたのがこの「たかり」
の方法だった。まさか、いくらなんでも切腹などさせないだろうという甘い考
えが浪人者たちにはあった。
だが、武勇を誇る井伊家の対応は違っていた。悪習を撲滅するため、口上どお
り本当に切腹させてしまおうとの意見が大勢を占める。のみならず、武士の魂
である自分の刀で切腹するのが本懐、と腰の刀が竹光であるのを知りながら、
千々岩を追い詰める。やむなく彼は竹光で腹を突くが当然死に切れず、舌をか
む。 話し終えた家老は「どうだ。作り話ではない、本当にあったことだ。悪いこと
は言わぬ。今のうちに引き取られたほうが賢明だ」と浪人者を諭す。
だが、津雲と名乗る今度の浪人者は違っていた。それでも本当に切腹すると言
うのである。ついては介錯人に希望があり、次々に三人の名を挙げ、ぜひその
方々にお願いしたい、と述べる。それはたやすいことと家老は請け負うが三人
とも病で出仕していないと告げられる。ここで裏に何かあると気づく。 実は津雲は千々岩の義父で、切腹を強硬に主張した三人との決闘はもう終わって
おり、殺しはせず、髷だけちょうだいしたと告げる。三人の侍は病と偽り、髪が
伸びるまで家に引き籠っていて「これが井伊家の武士道か?」と津雲はあざ笑う。
いわば復讐劇で、原作は滝口康彦の短編『異聞浪人記』。脚本は橋本忍。体言止
めの台詞が多く、回想と現在が微妙に入り組み、緊張の連続で、観客を引きつけ
て飽きさせない。
カンヌ国際映画祭「審査員特別賞」を受賞。 『切腹』はフランスでも人気で、ジャン・ベッケル監督『殺意の夏』(イザベル・
アジャーニ主演)の最後のあたりの復讐描写が『切腹』によく似ている。模倣では
ないが、なんらかの影響を受けたのではないか? と思わせる。 「日本映画専門チャンネル」で、岡本喜八監督の『斬る』を観た。お家騒動の
ゴタゴタで、どこか黒澤明監督の『椿三十郎』を思い浮かべた。少なくとも、
なんらかの影響を受けていると感じた。ちなみに『椿三十郎』1962年、『斬る』
1968年製作。『斬る』は話の筋が複雑すぎて、理解しがたいところも多い。枝葉
を切って、もっとすっきりとしたストーリーにしたほうがいいと思った。やはり
黒澤明には及ばない。 『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』は、2003年(平成15年)に新潮新書で
発刊された歴史学者磯田道史の著書。一般向けの教養書で、ドキュメンタリー的なノン
フィクションであるが、2010年(平成22年)にこれを原作として映画『武士の家計簿』
が製作されている。
――というわけで、題材としては目新しいが、映画化するのはちょっと無理がありそう。
全体が平板で、ヤマがなく、何を言いたいのかわからない。 『ヘッドライト』――想い出深い懐かしい映画である。恋に疲れ、ひとり地方
都市のビジネスホテルで観た。映画はその時々の自分の人生と二重写しになる。
「ああ、この映画はこんなときに観たなあー」という具合。現在では、もう作ら
れない淡々とした、それでいて人生のなんたるかを教えてくれる映画。
『ヘッドライト』(仏)
アンリ・ベルヌイユ監督 ジャン・ギャバン フランソワーズ・アルヌール主演
哀しいい映画である。妻子ある長距離ドライバーと宿場町の女とのいわば不倫の恋物語。
パリとボルドー間を走るトラックドライバー、初老の男・ジャン・ギャバンが人生の哀感、
せつなさを漂わせて素晴らしい。親子ほども年の違う女に恋をし、また女も男を受け入れ、
妊娠する。男は些細なことから失業し、ふたりの行く手には当然のように哀しい結末が待っ
ていた――。
そして、月日は流れ、何事もなかったかのように平凡で退屈な日常がまた戻ってくる――。 【『暗殺』について 1】
篠田正浩監督 丹波哲郎 木村功 岩下志麻 佐田啓二出演
司馬遼太郎の『奇妙なり八郎』を原作に、幕末の風雲児・清河八郎の後半
生を描く。
清河八郎は幕府に働きかけ、将軍上洛の際の警護として浪士隊を結成する。
だが京都に着いたとたん、旗を翻して尊皇攘夷を主張。いま、勅許を申請
中で、決定に背くものは逆賊となると隊員に告げる。
寺の本堂で刀を抜き、宙にかざして勅許の届くのを待つ丹波哲郎の迫力と男
の美学を醸し出す演技は秀逸。
ちなみに、八郎の翻意に同意せず、あくまでも佐幕の立場を貫いたのが、
近藤勇、土方歳三、沖田総司などで、のちに新撰組となる。
【『暗殺』について 2】
自信に満ちた八郎であるが、その裏側には非常に弱い心を持っていたということ
が、のちに明らかになる。
かつて試合で八郎に敗れた佐々木只三郎は、八郎の行状をいろいろ調べ、町人を
斬ったとき、動揺してしまい、うちに逃げ帰って妻に慰めを乞う脆弱な心を持っ
ている彼の裏面を知り、今度は勝てると確信する。そして八郎の癖を徹底的に研
究、暗殺に成功するのだった。
篠田監督はフランスのヌーベル・バーグの手法を取り入れ、この作品で和製の
ヌーベル・バーグをめざしたという。
彼のテーマである弱者と強者の確執というのが、最もよく表れた作品といえる。 【『暗殺』Amazonレビュー】
動乱の幕末に生きた剣士清河八郎。若くして死んだこの文武両道の志士を、司
馬遼太郎の原作をもとに篠田正浩監督が映画化した作品。清河に扮しているの
が丹波哲郎で、その豪快なキャラクターを見事に表現している。また本作での
篠田監督の演出は、実験精神に満ちており、八郎が登場するシーンの立体的な
構図と緊張感、手持ちカメラの多用、セットの間の狭い路の巧みな使用、拷問
シーンのリアルな描写など、今日観てもその旺盛な表現への執着には驚くばか
り。冒頭で字幕とナレーションを使って、作品の背景となる時代性等が説明さ
れるものの、そういったものを一切無視して、シャープなモノクロ映像の凄み
に 身を任せてみるのもまた一興か。
伝説のスター、佐田啓二が特別出演している他、岡田英次、木村功、竹脇無我、
小沢栄太郎と、硬軟織り交ぜた個性豊かな男優たちが顔をそろえている。
(斉藤守彦) 「東京家族」を観た。さすが山田洋次監督、観客を泣かすのがうまい!
観ている側はその術中にはまり、ヤマ場のたびに何度も涙をこらえることができなかった。
観る前は小津安二郎監督の「東京物語」の現代版リメイクと軽く考えていたが、観てみると
映画全体の印象はずいぶん違っていた。登場人物の名前も同じ、職業もほとんど同じ。セリフも
あえて同じにした箇所が多かったけれど、「東京物語」では家族の崩壊を描いているのに対し、
「東京家族」では「東京物語」時代以降、いつの間にかバラバラに暮らし、互いを理解できなく
なっていた家族の「家族としての再生」を描いている。その、監督の心優しい視点が、観る者に
涙を流させるのだろう。私は心地良い涙を存分に流してきた。 >>183
>>181 です。あなたの言われるとおり。「崩壊」は言い過ぎ。『一人息子』と
いう小津作品を観ましたか? この作品に小津のテーマが一番よくあらわれて
いると思います。上京して出世しているかと思って訪ねてきた母が、平凡なし
がないサラリーマンとなって暮らしている息子を見てガッカリ。でも郷里の近
所にいた男(笠智衆)も、小さな店の主。まあ人生とはそんなもので、高望み
しても仕方ない。健康で平凡に暮らしていくのが幸せかもしれないと考え、息
子を許し、故郷に帰っていくという話。『東京物語』に通じるものがある。と
いうより、手を変え品を変え、その思想をずーと描き続けた監督。 >>184 です。サラリーマンというより、定時制の教師でした。
【アマゾンの内容紹介】
『一人息子』
小津安二郎監督のトーキー第一作であり、晩年加山雄三主演の「若大将シリー
ズ」等で活躍し、活発な明るいお婆さんのイメージが強く残る飯田蝶子が母親
役を演じ、一人息子の成長だけを楽しみに、貧しい生活に耐えながら、一人子
供を育て上げ、最後まで成長した息子と一緒に暮らすことを夢見ながら生き続
ける女を演じきっている。子供に期待する親とその期待に応えられず悩む息子
の姿を描き、人間誰もが一度は直面する問題を描いた作品である。平凡な人間
の人生の一断面を切り取ってみせる小津作品の特徴が初期のこの作品にも顕著
に見て取れる。 映画『一人息子』のAmazon.co.jpでの検索結果
[DVD]
新品: ¥ 421
1 点の新品/中古品 ¥ 421 より アメリカ映画は、ほとんどハッピー・エンド。楽天的なのか、能天気なのか?
映画『ロード・オブ・ザ・リング』を観て、その思いをいっそう強くした。 「爆発(撃ち合い)」「カーチェイス」「家族愛」――この三大要素がなければ
いけないみたい、最近のアメリカ映画は。特にコンピュータ・グラフィックス
を使うようになって顕著。映画は人生を語るものから見世物に堕してしまった。
また、アメリカ人(映画産業に多いユダヤ人)は、エンターテイメントの映画を
通じてキリスト教(もしくはユダヤ教)の教えを全世界に伝えることを任務と心
得ている。 『シベールの日曜日』『道』『さすらい』『太陽がいっぱい』『アラビアのロレンス』
『ひまわり』『シェルブールの雨傘』『恐怖の報酬』『サムライ』『鬼火』『モンパル
ナスの灯』『灰とダイヤモンド』『冒険者たち』『ヘッドライト』『殺意の夏』『仕立
て屋の恋』『地下室のメロディー』『隣の女』『アデルの恋の物語』『死刑台のエレベ
ーター』『愛すれど哀しく』『自転車泥棒』『夜行列車』『異邦人』『禁じられた遊び』
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』『わらの男』『刑事』『アポロンの地獄』『気狂いピエ
ロ』。
『望郷』『舞踏会の手帖』などの一連のジュリアン・デュヴィヴィエの作品群――ヨーロ
ッパの映画で名作といわれるものは、ほとんど哀しい結末である。こう並べてみると、ア
メリカ映画の楽天性がいっそう際立つ。最近あまり見かけなくなったヨーロッパ、とりわ
けフランス、イタリア映画、どうなった! 【3D映画 1】
『ロード・オブ・ザ・リング(シリーズ)』――話の筋が複雑過ぎ。指輪が邪悪をもたら
すという最初の設定が噴飯もの。大の大人が割増金を払ってまでも観る映画ではない。
『ハリー・ポッター(シリーズ)』――魔法学校に入学? 笑ってしまう。とても付き合
い切れない。
『スター・ウォーズ(シリーズ)』(3Dは一部の作品のみ)――ふんだんにSFXを取り入れた
ことで愚作となった。珍奇な生き物、跋扈。やたらうるさいだけ。第23回ゴールデンラズ
ベリー賞(最低映画賞)を受賞している。
『アバター』――人間もどきの青い生き物、美的感覚に欠ける。背景複雑過ぎ。ストーリ
ー展開不可思議で荒唐無稽。
上記の作品が世界的にヒットしているのが不思議。みんな幼児化してしまったのか? 【3D映画 2】
『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』――3Dで初めて傑作に出合った。神の問題
がうるさいが、映像はびっくりするほど美しく叙情的。トラが演技? 小動物が演技? 魚
が演技? どうしてあんな映像が撮れるのか不思議。CGを使っているのだろうが、とても自
然。命の大切さを語って感動的。泣ける映画でもある。上映が始まったばかりなので、一見
をお勧めする。この映画は3次元映像が効果的なので、3Dで観たほうがいい。
あらすじは次項で。 【3D映画 3】
『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
誰もがその目を、その耳を疑うような奇跡と感動のストーリー。サブタイトルに記されて
いるとおり、トラと227日間もの日々、太平洋を漂流した一人の少年の物語。
少年パイは動物園を経営する家族とカナダに移住することになり、動物たちと一緒に航海
に旅立つ。しかし大嵐に見舞われた船は沈没。ただ一人生き残ったパイがたどり着いた救
命ボートにはなんとトラが身を潜めていた……。トラと漂流することになってしまったパ
イは、どうやってサバイバルしていくのか? どのように共存の道を探していくのか?
刻一刻と表情を変えていく大海原を舞台に、パイとトラの数奇な運命が、壮大なスケール
と美しい3D映像で描き出されていく。観る者の心を鷲づかみにする物語は、どのようなラ
ストに行き着くのか──それは想像を超える感動に満ちたものだった。 >>190
人生を肯定的に描いてる。少なくとも野田が絡んでいるものは。
小津はちょっと変わったのも撮ろうとしているが。少なくとも戦後に二度は。 『脳男』を観てきた。前半は精神鑑定の話。後半は爆発+アクション。
わかりづらい映画だ。わかってもらおうというのを最初から峻拒している。
なぜ? なぜ? という疑問がつきまとう。なぜ主人公は感情を持っていない
のか? なぜ爆破犯の少女は爆破を繰り返すのか? 「わかろう」というのが
むしろ野暮なのかもしれない。生田斗真と、まゆげを剃ってまでの二階堂ふみ
は怪演。でもあまりお勧めできない。 【脳男 あらすじ】
常識では考えられないほどの高い知能と、驚異的な肉体を兼ね備えるも、人間
らしい感情はない謎めいた男「脳男」をめぐるバイオレンス・ミステリー。
残忍な手口の無差別連続爆破事件を追う刑事の茶屋は犯人の居所を突き止める
が、身柄を確保できたのは身元不明の鈴木一郎だけ。共犯者と見なされた一郎
は犯行が常軌を逸したものだったため、精神鑑定を受けることに。担当となっ
た精神科医・鷲谷真梨子は感情を表さない一郎に興味を持ち、彼の過去を調べ
始めるが……。 「説明」する映画としない映画がある。少し乱暴な区分けだが、最近の映画は
どうも説明なしの物が多い。わからなくてもいいという姿勢。
昭和期のものは、すべてわかりやすい。推理映画では必ず最後のほうに説明が
ある。その説明がドラマになっていて、観客は納得、感動もする。代表は『砂
の器』『ゼロの焦点』など。また『切腹』などは最初から最期まで「説明映画」。
歌の世界でもそうだ。Jボップスは英語多用で、歌詞も明確ではなく、何を言
ってるのか聞き取れない。雰囲気を楽しんでくれればいいといってるよう。
昭和歌謡黄金時代のものは違う。メッセージを伝えることを第1義と考えている
のでわからない言葉はご法度。できるだけわかるように歌う。それが歌がうまい
かどうかの基準。聞き手がわからなくては致命的。〜〜これも時代の流れか〜? 言われてみればそうだ。
最近の映画はわざと複雑に作っているような気がする。
観ているときは何となく理解できている(と思っている)が、
観終わってしばらくすると、あらすじをたどれない。
人に説明しきれない。そんな、観客を煙に巻くような、置いてきぼりに
するような映画がほんとにかっこいいんだろうか?
それともこちらの能力が落ちてきただけなのか。
ともかく、わからないことは悲しい。 >>197
> また『切腹』などは最初から最期まで「説明映画」。
むしろ観る側のほうが問題多そうだがw >>200
「説明映画」というのは、悪い意味で使ったわけではない。ほかに言葉が見当たら
なかった。「わかる映画」という意味だ。「説明的」としたほうが、誤解を招かな
かったかも知れない。
『切腹』は津雲半四郎という浪人が井伊家の庭を借りて切腹したいということから
はじまり、彼の言葉によって次々と事実が明らかになってゆく。橋本忍の脚本は凄
い。ドラマ展開のうまさは定評あるが、セリフの一言ずつにも深い意味がある。体
言どめの言い回しを多用し、格調高いものにしている。詳しくは>>170〜>>174に私
が書いたので、参照。いずれにしても傑作中の傑作。 討論劇というのですよ。
他には「日本の夜と霧」とか。 『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』を観てきた。もちろん奥西死刑囚
無罪の視点で描かれている。
しかしこの映画は、あまり事件に深入りすることなくさらりとかわし、母が悲
嘆にくれる場面や周辺部分を描くことに力を入れていて、ちょっと肩すかしを
くらわされたみたい。現実の映像と役者が演じる場面が混在し、あまり上出来
とはいえない。事件の真相を伝えるよりも、「お涙頂戴映画」に成り下がって
いる感は否めない。母親は事件とは無関係である。気持ちはわかるが、ドキュ
メンタリーならドキュメンタリー、ドラマならドラマに徹してほしかった。
奥西死刑囚は冤罪なのか、そうでないのかは観客にわかるはずはないのだ
から、一層不満が残る。有罪の判決を下した裁判官が栄転したなどと皮肉
ってみせるが、これも事件の真相とは無関係。
江川紹子の『名張毒ブドウ酒殺人事件』(岩波現代文庫)も読んだが、奥西
無罪の心証は得られなかった。真相はわからないとしか言いようがない。 >>145
問題です。
人間は成りたくないものに成るもんだ。
何という映画のセリフでしょうか? 【名張毒ぶどう酒事件とは】
1961年3月28日、三重県名張市葛尾の薦原地区公民館葛尾分館で、地区の農村生活改善クラブの総会が
行われ、男性12人と女性20人が出席した。この席で男性には清酒、女性にはぶどう酒が出されたが、
ぶどう酒を飲んだ女性17人が急性中毒の症状を訴え、5人が亡くなった。捜査当局は女性が飲んだぶど
う酒に原因があるとして調査した結果、ぶどう酒に農薬が混入されていることが判明した。
その後、重要参考人として男性3人を聴取する。3人のうち、1人の妻と愛人が共に被害者だったことか
ら「三角関係を一気に解消しようとした」ことが犯行の動機とみて、奥西を追及。4月3日には農薬混入
を自白したとして逮捕された。しかし、逮捕後の取り調べ中から犯行否認に転じる。 >>204、の回答はヒッチコックの逃走迷路です。
個人的には最高のセリフです。当たっています。
人の運勢鑑定にもこれ一発でOKです。 >>205
名張の毒ぶどう酒事件について乙です。
あの現場、あのあたりは貞操観念に乏しい土地柄で
あることが以前報道されていましたが、今は差別の
問題があって難しいでしょうね。そこら辺のドロドロ模様は
表現されていましたか? >>208
先にも述べたたように、事件の概要は描かれていましたが、さっと通り過ぎる
だけで、事件そのものとは無関係の奥西死刑囚の母親(樹木希林)の嘆きが大
きな比重を占めていた。
ドロドロ模様や土地柄の問題には全く触れていなかった。だから不満が残った。 狂犬の目にまっすぐな路ばかり
ご承知のように黒澤野良犬の中のセリフです。グッときます。
ただ現実の世界でこれを使っても内容はともかく、意味が
通じる者は10人の内1人ですかね。脚本の言葉をそのまま
使うことの難しさです。 免罪映画はどれも裁判上の無罪と事実上の無実を一体のものとして描いているから面白くない。
実際は犯人でも証拠不十分で無罪。これも免罪だという視点が欠けてる。
まあこの視点だと当事者の協力は得られないと思うけれど。 >>211
免罪は冤罪でよござんすね。実は本当の事などどうでもいいのです。
ご指摘の件は、三浦事件ですね。犯罪と言っても事実の確定だけでなく
メッセージ性を持っています。今問題の遠隔操作事件でも何処かの誰か
の意図があるかもしれません。本人は否認し、弁護団は足利事件担当者
が付きました。今後が楽しみですね。 冤罪事件を描いた熊井啓の
『帝銀事件 死刑囚』は、名作だよ。 お前が犯人だ〜 お前が犯人だ〜 とあんまり検事さんに言われるので、
ああうるさい事だ よし分かった それでは私が犯人だ。
ここで法廷内ドッと笑いが来ます。
信欣三も演じてて気持ちがよかったでしょうね。
実はわたしもこれを時々使います。受けますよ。 『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
>>203 と同感です。この監督は自作に自信がないのでは? タイトルを三つも
つけるなんてその証拠。それにこの映画は事件そのものの核心をついたもので
もない。母親の嘆き、奥西死刑囚の拘置場での生活が多くの部分を占める。事
件を描くなら、奥西死刑囚が当初の取調べで「妻が犯人」と主張したことなど
がスッポリと抜け落ちている。唯一の物証である「ニッカリンT」に関する描き
方も農薬とだけで片付けている。観客が知りたいのは事件そのものの全貌である。
タイトルは『名張毒ぶどう酒事件』一つにしぼって、もっと深く真相に迫って
ほしかった。有罪判決を出した裁判官が栄転したなんて関係がないどころか悪意
を感じ、しらけてしまう。 結局テレビ局製作のものだから、テレビでの放送を考えれば、
みんなが期待するほどのものは出来ないんじゃないでしょうか。 >>216
『約束』は元が東海テレビで放送されたドキュドラマを劇場公開しただけでしょ?
>>215
>タイトルを三つも つける
『約束』は元がTVだけど、今の邦画はそんなのばっかしだよ。
P・配給が興行に自信ないから「お客さんに内容がわかりやすいように」とタ
イトルでダラダラ説明しちゃう。
『約束』にしたって仲代や樹木希林で客が来るわけじゃねえからな。 『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』その2
奥西死刑囚にも有利な事項がある。ビンを川に捨てたとの自供だが見つからず、
農薬を竹筒に入れて運び、囲炉裏で燃やしたそうだが、その痕跡も見当たらな
かった。
しかし葛尾は100人程度の集落で外部犯行は考えにくい。奥西でなければ誰か?
という村人たちのとまどいもある。ビンの王冠からの歯型検証は不可能との法
医学者の証言もある。「第2の帝銀事件」と言われるが、死刑確定後7回も再審
請求を行っているが、いずれも棄却。奥西には三角関係の清算という動機があり、
公民館でひと目につかず、毒物を入れることができたのは10分間1人でいた奥西
だけという不利な状況証拠もある。そんなことを映画で描いてもらいたかった。 『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』その3
【参考 ニッカリンTとは】
現在は製造停止。司法も弁護士も探し出すのに苦労したそう。事件に使われた
ぶどう酒は白で、ニッカリンTは白と赤の液体を混合したものが流通していた。
赤く変色すれば気づくはずだが、鑑定ではニッカリンTはごく微量だったため、
加水分解して消失という見解を裁判所は採用。
ニッカリンTは猛毒で、致死量は0.06〜0.15グラム。青酸カリが0.15〜0.3グラ
ムであるからいかに劇薬であるかがわかる。 毒は毒でもちと汚いが梅毒を扱った「静かなる決斗」というのがある。
黒沢映画は面白いのは赤ひげまでなわけだが、それ以前にもつまらないのは
いくらでもありこれもそれ。罹患したので絶望を感じる医師の物語だが、
スタッフの一人から実は今はペニシリンで治りますよと言われて、仕事が
嫌になったらしい。一か所、アレッと思った。戦地で感染を調べる時、
時局柄ワッセルマン反応は用意できないので村田式でやります。のところだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E7%94%B0%E6%AD%A3%E5%A4%AA
毀誉褒貶な人物でこれこそ黒澤好みではないかな。 村田正太の生涯は、わが青春に悔いなしの尾崎秀美みたいなもんだ。
村田は患者の人権を尊重したというが、ライの易感染性を主張し、
隔離政策賛成の立場を取っていたから映画は無理だな。もっとも
隔離は病気の怖ろしさを無駄に喧伝し、患者をゲットーに閉じ込める
といった非人間的取り扱いと言っても、浮遊ライにして野垂れ死に
させるよりはるかに情味ある現実的な政策であったわけで、その証拠に
長生きしている者も多い。今に最高年齢者はハンセン病療養所から出る
だろうな。隔離政策の真の功罪を説くのはまだ先のことだろう。 ハンセン病と来れば、砂の器だがどっこいそれ以前は、小島の春だ。
美しい瀬戸内海を舞台にした抒情的作品だというが、イヤな場面がある。
夏川静江の女医が一人住まいの癩女を訪ねるわけだが、座敷に雛祭りの
セットが飾ってあり、干している蒲団の向こうに居て顔を見せない。
不気味な旋律と共にカメラが白い蒲団に寄って行く。豊田四郎はこの
カメラワークをを四谷怪談でもやっているが、あざとい演出だ。
豊田はホモだというが、女に意地が悪いのだろう。 隔離、非隔離論はともかく、医学は日進月歩。その時々の最新知識・技量を信じる
しかない。ハンセン病にしても抗生物質が発見されるまでは、恐怖の感染症で隔離
するしかなかった。だから当時の隔離はやむを得ない。しかしその後、完治するこ
とがわかった。その先も隔離し続けたのは、人権侵害で厚生労働省の失策。 HIV・エイズの場合はどうなるんだろう? キューバは当初から隔離政策で、カリブ
海一帯の爆発的感染にも影響を受けなかった。でもこんなに世界中に広まってしまっ
てはもう打つ手がない。「日常生活に影響はない」と各政府は強弁しているが、SEX
は「日常生活」。アフリカ諸国は国によって異なるが多くは半数が感染者。将来はな
い。HIV・エイズの問題はタブーなのかまだ誰も映画化していない。映画に取り上げる
にはあまりにも大きな問題だろう。1980年代から始まったときはたった8人だった。
そのときに隔離しておけば、こんな大きな問題にはならなかった。性感染はスピード
が速い。人類滅亡はもう目の前にある。スレ違いだが、重要な問題なので、以下は「朝
日新聞」の記事。 「終わりの始まり」などではなく、「エイズは続いている」という日本のキャンペーンテーマの方が正しい
だろう。国連合同エイズ計画(UNAIDS)のエイズ調査はいまどうなっているのか。最新情報を紹介し
よう。(宮田一雄)
UNAIDSの最新推計では、エイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染している人は、
2011年末現在3400万人。地域別にはサハラ以南のアフリカ諸国が依然、最も多い。
エイズで死亡した人は世界全体ですでに2500万人を超え、死者を含めるとエイズの流行が始まった19
81年以降、HIVに感染した人の数は6000万人に達するという。
11年の年間新規HIV感染者数は250万人、エイズ関連の死者170万人。パンデミック(世界的大流
行)は続いていると言わざるを得ない。 『マディソン郡の橋』――くだらない不倫小説と思って本は読んでいない。
しかし、昨夜(24日)、BS朝日で映画化されたものを観た。クリント・イース
トウッドの監督としての技量はすごい。
ラスト近く、雨の中、それぞれの車で別れるシーンは映画史に残るかもしれ
ない名場面。 ホモで四谷怪談と来れば、木下恵介もそう。
女に対して距離を置くから女を上手く撮れるわけだが、この映画では、
登場人物全員を突き放している。絵巻物を観るがごとくの俯瞰撮影や
横移動を多用し、出て来る人間の愛憎やら商売やらを落ち着きなく
引っ掻き回し、観客は映画開始から、はらはらと神経をいたぶられる。
大変な演出力だが、二度は観たくないな。 明日3月11日(月)、9時から「日本映画専門チャンネル」で篠田正浩監督の『心中
天網島』があるよ。
また14時から「イマジカ」でジョン・スターディス監督の『大脱走』があるよ。
これは忙しいことになりそうだ。 心中天網島は低予算を逆手に取った美術が凄い。
篠田桃紅(篠田監督のいとこ)の書も効果的に使われてる。 図書館で『本日休診』借りてきた。
『秀子の車掌さん』も好きだな。
井伏鱒二原作の映画では、何が好きですか? 今日14日(木)、NHK BSプレミアムで、13時から
『ミクロの決死圏』が放映される。
CGがなかった頃の手作りの特撮で、今見ると
稚拙なものだが、アイデアとドラマ作りが秀逸。
一見の価値あり。 木下恵介監督カルメン故郷に帰る を観た
パッケージに明るい喜劇って書いてあった気がしたんだが、
喜劇は喜劇でもブラックな方に見えてしまったのは俺だけかな
田舎の素朴な風景に過激な服で帰省した女、それから女に取り付いて儲けようとする腹黒のジジイ
表面では女を笑いもんにしながら、女がハダカ踊りをやる段になったら狂喜する村人
そして、その踊りを音楽芸術だと勘違いして得意になってる馬鹿な女
現代の芸能人がやってることもこれと同じだろ?
むしろ悲しくなった。 しかもストリッパーが田舎にいた時に牛に蹴られてアホになったって設定だもんね
こんなの無理矢理にでも「明るい喜劇」ってことにしとかないとDVD発売も危ういだろ >>239,>>240
はははは、ひでえ映画(笑笑) >>241
ただ黒澤明が選んでるんだよ
二十四の瞳も観たけど木下作品は俺には合わない、唱歌がうっせえ お嬢さん乾杯!、女の園、陸軍あたり見れば?
木下のほのぼの系は緩い映画ばかりだよ。
だから忘れられて来てる。
即興的に撮るからあちこちにほころびがある。 木下恵介の風前の灯は、神田錦町にあった南明座で観た。
南原伸二をいっぺんで覚えてしまった。
ただこの人、木下作品ではこれ一本だけで、黒澤作品でも
悪い奴ほど〜、だけだな。巨匠とうまくいかないのだろう。
後者は、神田東洋キネマで観たな。
24の瞳は、神田シネマパレスだった。 どっこい生きてるw >>244
風前の灯も243のリストに入れようか迷った。
癖のある人らしいね。
五所、清順、山薩も一回かな?
野村芳太郎、石井輝男は何回も使ってるね。 南原宏治
どっかの雑誌のインタビューに出ていたが、
この人と話すと、えらく疲れるらしいね。
元元教祖的な人なのたが、幸福の科学になんで入ったのだろう。
クーデターでも起こして乗っ取るつもりが・・・・ 今日の東京新聞のサンデー特集は、大島渚の世界だった
見開き2ページでも、作品については年表にあるだけで人物に関する記述のみ
まあ、ある意味大島映画にふさわしいかと ちょっと前の映画を再見すると
あ、この人も出てたのか!的な発見があって面白い。
戦メリ(1983)の内藤剛志とか
「その男、凶暴につき」(1989)の遠藤憲一とか たまに「ロビンソンの庭」を観たくてたまらない時ってあるよね。 たまに「800 Two Lap Runners」を観たくてたまらない時ならある たまに「アラビアのロレンス」を観たくてたまらない時もある たまに「シベールの日曜日」を観たくてたまらない時もある 池袋の地下通路で、毎月定期的にDVDを1本380円で売っているよ。今月は明日2日まで。
小津の『東京物語』『一人息子』、溝口の『雨月物語』、ジュリアン・デュヴィヴィエの
『望郷』、ルネ・クレマンの『禁じられた遊び』、マイケル・カーティスの『カサブラン
カ』など名画を10本以上買い占めた。すごく得した気持ち。来月もやるそう。 上記の情報をもっと具体的に。
場所は東京メトロ有楽町線池袋駅乗降口南通路。
来月は5月15日から2週間前後。
営業時間は午前11時からで閉店時刻は不確定。
会社名は株式会社JR東日本リテールネット。
問い合わせ先は株式会社ヤンレイアフターサービスセンター。
電話番号は03-5812-5818。 >>258
スーパーのダイエーでも時々もっと安い価格でやっているよ。 加藤治子さん
ttp://macondo.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-ddba.html アマゾン
小津安二郎大全集 (DVD 9枚組)
価格:¥ 1,767 通常配送無料
1. 東京物語
2. 麦 秋
3. 晩 春
4. 父ありき
5. 風の中の牝鶏
6. 一人息子
7. 戸田家の兄妹
8. お茶漬の味
9. 長屋紳士録 アマゾン
究極の名作映画大全集 (DVD 10枚組)
価格¥ 1,600 通常配送無料
1. カサブランカ
2. 市民ケーン
3. 群 衆
4. 素晴らしき哉、人生!
5. 望 郷
6. 自転車泥棒
7. 天井桟敷の人々
8. オペラ座の怪人
9. 第三の男
10. 禁じられた遊び 「かもめの城」という映画観た人、いる?
どんな映画? アマゾンでDVD売ってるけど
3000円以上する。払って観る価値ある? 埋もれた名作と言われているジュリアン・デュヴィヴィエの『わが青春のマリアンヌ』
が5月26日(日)、後楽園文京シビックセンターで、14時から上映されるよ。解説入り。
入場料200円。 『冒険者たち』のロベール・アンリコ監督、短編『ふくろうの河』をもう一度
観たい。アマゾンでDVD出てるけど、1万7千円もする。ほかに観る方法は?
誰か知ってる?
【ふくろうの河 あらすじ】
南北戦争中のアラバマ州のアウル・クリーク鉄橋で、農場主ペイトン・ファー
カーが、南軍に味方して鉄橋を破壊しようとしたスパイ容疑で絞首刑にされよ
うとしていた。彼は残してきた農場や妻子のことを思いながら、もう一度家に
戻れたらと思いを巡らせる。絞首刑が執行されたが、首を吊るす縄が途中で切
れたためファーカーは川に落ち、そのまま逃げ出した。銃弾をかいくぐって川
を泳ぎ、野山を走り、かろうじて逃げおおせたファーカーは、死に直面する前
には思いもしなかったほど樹にも草にも鮮烈な印象を受ける。森の道をたどっ
たファーカーはやがて一軒の家にたどり着く。そこは妻と子供が暮らす自分の
家であった。
ファーカーが我が家に駆け寄り、妻を抱きしめようとした瞬間、強い衝撃と共
にファーカーの体がアウル・クリーク鉄橋からぶら下がった。すべては処刑の
瞬間に彼の強い願望が見せた幻覚だったのだ。 きょう「イマジカBS」で『遊星からの物体X』を何度目かで観た。たいてい、後
作は前作より劣るのが通例だが、この作品は明らかに『遊星よりの物体X』を超
えた珍しい例。南極隊員たちの互いの疑心暗鬼、次々と変身する「物体X」の描
き方も秀逸。そしてハッピーエンドばかりのアメリカ映画としては、解決策を示
さず、哀しげに終わるのも珍しい。まぎれもなくSFホラー映画の傑作。 【『遊星からの物体X』――ウィキペディアの解説】
『遊星よりの物体X』(1951年)のリメイクというよりも、原作となった短編
小説『影が行く』に対する忠実な映像化となっている。「通信機能が麻痺して
しまった南極越冬基地」という閉鎖空間において、「誰が人間ではないのか、
自分が獲り込まれたのかすらも分からない緊迫した状況下における、隊員達の
心理状態と、難局を打開しようとする姿」を描き、最後まで明快な結末は見え
ない。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています