初見は劇場で、とずっとタイミング待ちをしていて、やっと見られて嬉しいです。
土埃がこちらに飛んできそうな画面に、低くてゆっくりな太鼓の音がもうなんとも・・

>>184-185さんの感想が参考になりました。

単に男女がくっついたり離れたり、という話ではなくて、
喪失がテーマという風に感じました。
祖国に帰ってはこれたものの、以前とは変わり果てた様子に馴染めず、
以前の技術では職にありつけず、人間関係も生活基盤も無し。
魂が抜け殻のようになってしまって、死ぬ元気も無い程、生きる気力・気概にも欠けている。
そんな時だからこそ、お互いの支えが必要になるけれど
とにかくお金もモノも精神も空っぽで、何をやるにも身が入らない。

単にズルイ人間にしか見えない義兄が教祖様に見えるほど
人々の精神がボロボロにされてしまってたんだなあ、、と
今頃、映画を通してですが、やはり終戦で完全に国体を失ったんだと実感させられました。

デコちゃんの方は身寄りがあの義兄しか居ないあたりから
何か不幸な生い立ちだったのだなと分かるけれど、
森雅之がインドシナに渡った時には既にドライで、そうなった理由が知りたい所。
原作が読みたくて仕方ないです。