成瀬巳喜男 『浮雲』 2
>>194
うん。ありがとうそうするわ
ただ、解説サイトも大抵あらすじと役者についての内容で終わってて
185みたいに場面ごとの意図なんかにまで書いてくれるところも少ないし
自力で作品の良さに気づけるようになりたいなと思って 仲たがいしながらも離れられない二人を描く物語だが、
その情況設定がうまいので、不自然に感じない。
仏印では最初嫌味を言われて幸子は富岡に嫌悪感を
感じるが、それが逆に相手に惹かれる要因にもなっている。
帰国して、新生活を夢見る幸子に対し、不誠実な態度を
とり続ける富岡をなじり、優柔不断な富岡を忘れ娼婦に
身を落とす幸子。
ところが、富岡は幸子に心中を迫り伊香保に旅立つ。
伊香保で富岡はおせいを誘惑し、死を回避する。
富岡は、女の身体を求めることで精気を蘇らせる「ぬえ」
のような男であることが、ここではっきりと判る。 普通なら、観客は富岡に対し嫌悪感しか抱かないはずだが、
森雅之の演技力によって、それを許してしまうところが前半の
大きなポイントになっている。
伊香保で富岡を見限り、義兄の女になった幸子のもとに
富岡が現れ、心情を吐露する場面により、幸子が富岡なしでは
生きられない女であることを、観客は知ることになる。
皮肉なことに、幸子がすべてを投げ出して、富岡と暮らす決心
するときには、富岡は屋久島での新生活に踏み出すことを
決めており、そこには幸子と暮らす生活設計など微塵もない。
ただ富岡が、彼にすがりつく幸子を突き放すことのできない性格
だったことが、最後の悲劇を生む。
ラストは、救いようのない展開だが、ここでも森雅之の演技力に
よって、余韻の残る名場面となっている。 ・・・というように評価されれば
森さんも映画界を去ることはなかったでしょうね 去ったはいいすぎだろ。元の場所である演劇に回帰しただけ。 去ったという表現はいいすぎではないだろ。
凸なんかもそういう表現を使っているわけだし。
それに演劇に回帰っていうけど、新劇に戻ったワケじゃなく花柳のところだからねぇ…
新派は元の場所なんて言えんね。 そりゃあ新劇を辞める経緯を考えれば、そっくり元にもどるわけはないだろう。 新派の後はTVだし、
新劇を辞めた理由がどうのこうのというより、
ちょっとした浮気症なんでわ。 10月に明治大学でスザンヌ・シェアマン(成瀬の研究書を出した人)が
乱れ雲の上映とその分析をレクチャーするんだって。 秀作が多くて「はずれ」の少ない名監督なんだけど、
題名がちょっと安易すぎな作品が多いよね。
「妻」「おかあさん」「夫婦」「娘・妻・母」その他。
「乱れ雲」なんか、「浮雲」と「乱れる」をミックスしただけ。
映画会社の意向もあったのだろうが… 回想シーンをカットで入れる表現は、この時代の映画には
珍しいのでは?
普通はフェードとかソフトフォーカスとか、いかにも回想です、
という雰囲気で持っていくのが主流だったように思う。
そいういう意味では斬新で、しかもそれが見事にはまっている。
冒頭、ゆき子が引揚げ船から下りてくるシーンからスタートし、
富岡の自宅で再開。歩きながら仏印の回想という流れが
実に自然で、余分な時間を使わず、二人の心理描写と
時代背景の説明を同時に行っていて無駄がない演出。
ゆき子と義兄がうどんをすすりながら語り合うシーン。
ここで、過去の二人の情事を、ほんの数秒のカットとゆき子の
つぶやきだけで観客に理解させる演出テクニックがまた心憎い。
主演二人の演技や美術、撮影、照明技術の素晴らしさが
評価されているが、このような演出技術もまた特筆に価する。 米兵役のロイ・H・ジェームスって、元祖外タレでテレビ司会者だった
あのロイ・ジェームス?
それと、ダラットで富岡の愛人だった現地の女中役は、クレジットに
それらしき外人名が見当たらないんだが、もしかして日本人? 杏っ子とか驟雨とか好きだけど、話に落ちがないというか終わってないよな
今、新作としてロードショーとしてやったらクソ映画って言われるのかなあ 単館上映なら全然問題ないだろうね。
そういう劇場の客は慣れてるから。 鹿児島にはロケしているようだが、屋久島はセットみたいだね。
映画を見る限りでは、鹿児島ロケには森雅之だけ行っていて、
高峰秀子は参加していないように思う。
もす二人とも鹿児島に行っていたなら、鹿児島の街を二人で
歩くシーンが必ずあったと思う。
そこで二人で「浮雲」を見上げるシーンがあれば完璧な映画
に仕上がっように思うが… >そこで二人で「浮雲」を見上げるシーンがあれば
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ヽ ,イ ヽ :イ 結局、浮雲ってなんなの?って思われる嫌いはあるな。
原作にはばっちり書いてあるだけに。 原作には、仏印の林業事情なども結構詳しく書いてあるね。
まぁこれは映画では当然省くべき内容だろうが。
水木洋子の脚本は、原作を実にうまく換骨堕胎して
なおかつ映画の持つ視覚的効果を最大限に引き出せて
いるように思う。
小津安二郎がこの映画を見て高峰秀子に宛てた手紙に
「映画が小説に勝った」とあったらしいが、たしかに映画の方が
感銘の純度は高いと感じる人は多いだろう。
高峰も自伝で触れているが、この映画の成功は、スタッフ・キャスト
らの仕事が完璧なうえに、全員が一致団結して仕上げた成果。
ということらしい。
つまり総合芸術としての映画が到達し得た、恋愛映画としての
最高級品の一本といえるかもしれない。 映画自体も素晴らしいが、スチル写真もいい。
DVDのパッケージ写真や、屋久島行きの小船で
雨の中寄り添う二人のカットなどなど。 冒頭のオバサンが白のワンピース着てるシーンが要らないんだよなー
回想シーン以外の凸様は文句のつけようがないんだが 主人公二人の行動や考えが突飛過ぎる、ちょっとカルト的な映画だよね ストーカー女物語だなぁ。
最後は男も観念して、まあ情もわいて女の死に顔に口紅をぬってあげたと。
オレの母親が「コノ、バカ女、バカ女、どこまでバカなんだよ!こんな女たらしの男について
いって!」と映画を罵りながら見ていて、結局最後までちゃんと見てやがったw 男からも二回訪ねてるぞ。
二回とも他の男がいるという… 「妻として女として」観た
これって特に評判も聞かないんだけどめちゃくちゃ面白かった
淡島千景と高峰秀子と森雅之でグダグダの三角関係
戦前の妻薔薇と良く似た主題だけど妻役の淡島千景が絶品
これまで淡島って特になんとも思わず観てたんだけど
うまい女優さんなんだねぇ
この映画に限っては凸より光ってたな
一本観る度に思うことだけど成瀬って素晴らしい
総合スレが無くなってたからここに書きましたw >>28
職場の50代の人が絶賛してたからみたけど、
今の自分にはまだ早すぎるーと思った。
ただ「二十四の瞳」を観た後にこの映画を観ると
高峰秀子という女優の幅というかすごさに感心する。
最期の最期まで救いようのない男と女の宿業の成行き。
どのシーンからも感じられる凄まじい緊張感とむせかえる程の濃密な空気。
ここまで徹底した悲劇を見せられると逆に清々しささえ覚えた。
決して幸福な気持ちにはさせてくれない。
しかし、この映画的カタルシスに適う作品にはそうそう出会えない。
府中グリーンプラザ
3月12日(木)〜14日(土)
「浮 雲」「乱れ雲」2本立て BSハイビジョンで「稲妻」見たけど音声が悪くて参った
DVD版にも字幕付いてないし・・・ 女の哀れさのみが強く印象に残る映画だ
特に最果ての雨降りしきる貧相な小屋で
煎餅蒲団にくるまれて一人で死んでいく場面は
何とも言えない侘しさをかんじる 身体の相性が良すぎるのも問題だな。
でお「あなたのオチンチンがどうしても忘れられないんですぅ」って凸に言われてみたいわ。 ↑こういうバカもいるんだな、このスレには。みっともないというか恥かしいというか…。 「『浮雲』はおそらく成瀬作品のベストワンであり、日本映画のベスト3を選べば、
これと小津作品から一作、黒澤作品から一作が入るだろう」(小林信彦) >>234
しまりの無い文章だな。
売文屋の言い分を出して来て、それも何がベスト3なのか不明のまま。
おそらくw、70歳以上だろう。 >>235
おまえも何が言いたいのか、しまりの無い文章だなぁwww 日本映画のベスト3を選んだら成瀬だけになる。
小津や黒澤は入らない。 |______________|
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また映画を観れば 昔にもどれる! 評価が分かれる作品みたいですね。
私はストーリーに関しては全く面白くありませんでした。
評価が分かれるって…
これだけ大絶賛されていて、高い評価が定着している
邦画もそうたくさんないと思うが… 小説における純文学(笑)みたいなもんで、
ストーリーがどうのこうの言っている人には無理だろ。 ストーリー追うだけでも結構面白いと思うけどな。
農林省のタイピストがパンパン(死語)にまで落ちぶれた
かと思うと新興宗教の幹部のメカケにjなったり、
三角関係で殺人事件もあったり、波乱万丈じゃないの。
現代の視点で見ても、戦後の荒廃した日本の雰囲気が
よく描写されていて実に興味深い。
ストーリーうんぬん言ってる人は、どういう恋愛ものなら
納得するのかな? 女が命からがら仏印から帰ってくると、
男が日本で長い間待っていてくれてハッピーエンド。
その間に妻は死んでいる。 最新のキネ旬ベストテン第3位にランクされてるね。
やはり名作です。 要は道と同じなんだろ
無くなって初めて本当に大事なものに気づいて慟哭した
みたいな感じで いやいや逃避行の時から二人だけの世界になっていたよ
甲板で一つコートに包まっているシーンはまるで二つの魂が一体化したようで
ジーンときた
道とは少し違う>>250 名作だとは思うが再び見返す気にはならないね。
1回見れば十分な作品。
俺は3ヶ月に1回、季節の変わり目に
必ず見たくなるけどな。
邦画で10回以上見たのはこの映画と
「流れる」と「稲妻」の3本だけ。
特に成瀬作品が好きというわけではないが、
これらの映画は、なぜか何度も見たくなる
から本当に不思議。
俺は自分で勝手に「麻薬映画」と名付けて
いるけどね。
>>252みたいに麻薬に溺れない人は本当に
うらやましい限りwww 俺もその三作は好きだな。
「浮雲」「流れる」は自分でも納得いくけど、
「稲妻」ってのは不思議な魅力だよなあ。
たぶん独り暮らし始めてからのパートないと
きつくて見られないと思うなあ。 鰯雲とこれと対比させて鑑賞したら面白いな。
戦後は厳しいわ。 「稲妻」好きだな。植村謙二郎のダメ男ぶりが俺と被る。リアルで凄い演技だ。 植村はまだ許せるが、小沢は許せんな。
本当に憎たらしい。 成瀬氏の作品
本日 日本映画専門Ch.で一挙放映中! 清吉がおせいを殺害したって新聞が印象に残った
あの顔で殺りにきたら怖すぎるわ 山形勲が高峰をレイプした回想カット、あれはいらん!
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また映画を観れば 昔にもどれる! 役者がみんなすごい。(特に森雅之)
今の役者では演じられない。
浮雲を超える邦画は当分ないでしょう。 浮雲ね。たしかに、一種の金字塔なんだろうけど、
しかし、また観る気はしないんだよ。どうも、滅入ってしまってね・・・
映画は所詮娯楽、されど映画ではあるが、観た後、元気が出る映画が良い。
とすれば、「浮雲」よりも「麦秋」だな。同じ、空でも。
>>264
浮雲はダメダメなとこがいいと思います。
邦画屈指の恋愛作品です。
>>265
うん。あんたの言いたいことは、よく分かる気がするんだが・・・。
ただ、この映画を見終わっての、おれの気分の問題なんだね。それは、人それぞれで結構なんだけれども、
この映画は・・・・どうも、おれは滅入ってしまうんだよ。傑作であるとか、どうだ、という以前のことなんだね。 >>266
確かにスカっとする映画ではないですね。
富岡に関わった女性は不幸になってくし。
賛否両論でしょうね。
キネ旬1位だし評価は高かったんですよね。
田山力哉も絶賛していました。 俺も一回見たけど、もう一度見る気にはならん映画だな。
>>267 別に反論するわけではなんだが・・・
映画をみることが、一種の自己投影化だとすると、自己投影化してよかったか、よくなかったか。
要するに、そういうことだと思うんだね、映画をみるということは。勿論、映画のプロは別として。
映画は、おれたち、ただの映画好きにとっては、映画は、つまり「夢」。
寝覚めの良い夢。寝覚めの悪い夢。その、どちらか。
まことに残念ながら、この映画は、俺には後者だった。それだけのことなんだね。
尤も、寝覚めの悪い夢を、ことさら、ここに書き込むのは、俺の悪趣味だったことは認めるよ。
成瀬作品なんかは日本映画専門CHで特集をやってくれなかったら、観なかった。
「稲妻」「めし」「流れる」なんかもそうだけど 浮雲はある意味、日本映画の最高峰だと思います。
東京物語、七人の侍にはない衝撃があります。 日本映画の最高峰は男はつらいよです。
浮雲なんかでは断じてありません。 寅さんは国民的映画と言われてるからな。
浮雲なんかより見てる人は圧倒的に多いだろう。 それ言っちゃえばTVのドラマの方がたくさんの人が見てるわけで…
低俗なものの方が裾野が広いのは当たり前。 一般大衆に幅広く人気のある作品が寅さん。
批評家や映画マニアにしか人気のない作品が浮雲。
「しか」なんてネガな表現を用いる必要はないな
元々そういうジャンルの映画でしょうに 「浮雲」の「名作」は当然であるとしても、「男はつらいよ」は、
決して、「非名作」とは言えない。「浮雲」が映画史上の金字塔ならば、
「男はつらいよ」シリーズも、映画史上での金字塔だよ。玄人好みではないにしろ。
「浮雲」を、「暗い映画」と規定してみよう。
そして、その「暗い映画」というキーワードで、見回してみよう。
すると、小津の「東京暮色」が、おれには見えてくる。
そこで、諸君に、「浮雲」と「東京暮色」の比較をきいてみたい気がする。
(それは所詮は違う映画。そんなことは承知の上でのことさ)
浮雲と男はつらいよを同列で比較するのは難しい。
山田監督もそんなことは望まないでしょう。
作品の次元が違いすぎる。
おれは、ちっとも次元が違うとは思わんね。おれは、「男はつらいよ」の全シリーズを、
みてるわけではないが、そのうちの何本かは、「浮雲」に勝るとも劣らない感銘を受けるよ。
山田監督が、どう思うが、作品は、所詮、観客のものさ。
あまり、「浮雲」を神棚に飾らないほうが、観客のためにも、いいんじゃぁないかね。
連想ゲームをしてみよう。「暗さ」についてね。
「浮雲」→そうだなぁ。ますます暗くなっていく夜というところかな。
「東京暮色」→街灯のある夜、ってところかな。まさに「暮れ」だね。
「男はつらいよ」→田舎の駅舎の灯が灯(とも)っている夜、ってところかな。 鬱話は、あんまり見てると中毒になるんじゃないの?
なんかそんな気がするよ。普通、1回見ればおなか一杯の話だから。 寅さんは何回見ても飽きないし、何度も見たくなる映画。
浮雲は一度みたら十分で、何度も見たいとは思わない映画。 山本周五郎が言ってたよ。小説は、面白い小説と面白くない小説の2種類しかない、ってね。
それは、純文学小説と大衆小説の違いについて、訊かれたときの、彼の回答さ。
山本周五郎の言は正鵠を得ていると思うね。映画も然り。
映画にも2種類しかない。面白い映画と面白くない映画。
勿論、その判断は、小説は読者であり、映画は観客さ。
なんとか賞とか勲章とかが好きな人種が、純文学なんていう空疎な言葉を、でっちあげて、
自己愛撫するのは、何の分野であれ、批評家という人種に多く見られる性癖に見える。
通常の生活人、つまり、庶民だな、その生活人から見れば、ヤツらは、ただのアホに見える。
そう見えるが、黙っているのさ。 寅さんみたいなワンパターン話は洗脳されるんじゃないの?
なんかそんな気がするよ。普通、1回見れば後は同じだから。 寅さんは確かに話はワンパターンだけど、何度も見ても飽きないし、
見る度に新しい発見がある。それだけ奥が深いし、魅力のある映画なんだよ。
そうでなければシリーズで48作も作られるわけがない。
伊達に国民的映画って言われてるわけじゃないんだよ。 浮雲は森雅之が素晴らしい。
今あの役ができる俳優は日本にはいない。
出来る人はいるだろうけど、森さん以上にあの役が嵌る人はいないだろうね。 ゆきこ:農林省→パンパン→インチキ新興宗教→屋久島で病死
富岡:妻→インドシナ現地女中→ゆきこ→妻→ゆきこ→おせい→不良少女→ゆきこ