>>511
短時間でこれだけ例を出せるとは、なかなかの黒沢フリークですね。

秀虎の歩きのシーンを、もしレール等の横移動で撮影していたら、多分
背景の兵士達はゆっくりとしか流れて行かないので静かな印象のシーンになると思います。
あのシーンは秀虎も兵士達もテンパッてるシーンだからそれじゃ弱いと黒沢さんは考えたのでは。
皆さんも試しにビデオで実験してみたら判ると思いますよ。
パンで撮影しても1発撮りできるので撮影的にも問題ないし。

「七人の侍」の菊千代のシーンは、おかしな人を傍観するコメディ的な突き放しの視線だと思います。
わざわざ大掛かりな横移動で撮るような大げさなシーンでもないし。

「羅生門」のシーンは、おそらくパン撮影の長所をこの映画の撮影宮川一夫に教えられた最初だと思います。
あの森の中を疾走する臨場感は、実は撮影しょうとしてもなかなか出せるものではなく、
それを宮川一夫がパン撮影によって可能にした結果、世界中の映画関係者がどうやて撮影したか不思議がった
いわく付きのシーンです。なので黒沢さんはそれ以来パン撮影に味をしめてしまったのでしょう。

でも、確かにパンを多用することで編集の工夫を避けてるような気もしてきたなー。
「八月の…」とかを見てると特に。

どちらにしても、パンで撮影する事でさほど不都合は起こってないと思いますが。

>>512
以前の黒沢さんの映画は、マルチカメラで撮影しても控えめに使っていたので映画にリズムがあったんですよ。
でも「影武者」あたりから映画のリズムが「役者のリズムまかせ」になってしまっているのがつまらない理由かなー。
同じ役者まかせなら溝口健二みたく徹底した1シーン1カットにすりゃ凄い緊張感が出て別の価値観が出るのに。

よって私が映画としての魅力を感じるのは「赤ひげ」までです。

>>509
当時テレビで放送されたメイキングの中の作戦会議で黒沢さんが発言してますね。三の城は本建築なんで
慌てなくてもしっかり撮影できるよ、なんて言ってました。