周五郎ものがやりたかったのは事実で東映との妥協ではなかったと思う。
バッグに周五郎の本入れて持ち歩いてたほどのファンだったのも有名だし、
当時の女優の好きな作家は水上勉派と周五郎派に分かれてた。
だからこそ、テレビでの「五弁(新字ご容赦)の椿」と「柳橋物語」は本人の熱望
で実現した。
「五弁の椿」は岩下志麻の代表作とされてただけに、プレッシャーもあったと
思うが、岩下とはまた違う清純な魅力が出ていた。
東映ならせめて長谷川伸でもやってくれてもよかったのにと思うが、時代劇が
終わり、興行的にやるわけないか。
「刺青奇偶」を鶴田と、「一本刀土俵入り」を若山とで観てみたかった。「一本刀」
は勝新がフジでやったけど、六代目(菊五郎)信奉者の兄弟だけに比べてみた
かった。過去にマキノさんが監督してるし、藤純子のお蔦なら名場面になったと思う。