【人間喜劇】渋谷実と前田陽一【特集便乗スレ】
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どちらか御一人だけだとスレが維持できますか、心配な気もするのですが、
二人ならいいだろ。特集も近いし。 特集愉しみです。スレが立っていてありがたい。
実は渋谷監督って1本も観てないんで。
前田監督は以前フィルムセンターで観た『喜劇大誘拐』というのが
非常に面白かったです。 渋谷の弟子である石堂淑朗曰く
「渋谷さんはシーンごとの迫力はあるのだが、繋がってくるにつれて流れが停滞する」
「ちょうど正反対なのが木下さん」
渋谷は木下について、「木下はヘンテコに上手いんだよなぁ」
渋谷の代表作って『本日休診』か『現代人』なのかな
個人的には獅子文六原作ものが好きなんだが・・・ 佐藤忠男センセイは「正義派」だとおっしゃっていました。 とりあえず
「気違い部落」
だけは見ようと思っております<三百人劇場
渋谷実体験はこれまで「大根と人参」のみ
笠智衆のお茶目な演技が新鮮だった記憶あり 三百人劇場ってどこだよ?
前田の「にっぽんぱらだいす」でも見とくかな 松竹には
小津、木下、渋谷という3人の大物監督がいて
それぞれのチームで集まる料亭とか店も別々だった
と池部良がエッセーで書いていた気がする
たしか木下と渋谷って犬猿の仲なんだよな さっそく『本日休診』みてきました(三百人劇場・都営三田線千石駅A1
出口、薬局角右折スグ)。渋谷監督初見です。
見始め、テンポというのか、間というのか、かなり古臭く感じてしまった
のですが、しばらくすると落ち着いてスクリーンに入れました。小津とか
成瀬はそういった点ではモダンなんですかね。砂利船とか貨車に住んでる
人は出てこないもんな。でもこっちのほうがリアルなのか?
三国連太郎の強烈な戦争後遺症キャラ、放送できません。鶴田浩二が今か
らみるとかなり間抜けに見えるのだが、これがヤクザ役なんだな。
上映の機会が少ないのか、前日までの小林特集と比べると上々の客入りで
した。
高いな、千円までで見せてくれないか。ちなみにラピュタは会員になれば、八百円だ。 チケぴで10回券替え刃、1回あたり900円。
並んでいるおばちゃん軟派して夫婦と言えば二人で2000円。 小林正樹スレによると、300人劇場はこないだの小林特集では画面が暗いだの音が悪いだの、
トラブル続きだの、劇場のクオリティが散々だったようだが、前田渋谷のほうは
どうでしょう? 『自由学校』と『気違い部落』みてきました。
前者は、序盤モタモタするも、中盤くらいからはそれなりに笑えたものの、
佐分利信にはもっとはじけてほしかった(って無理か)。笠智衆の暴れっ
ぷりを目撃して、『酔っぱらい天国』への幻想が肥大化。
後者は、タイトルがWにヤバく、伊藤雄之助・山形勲夢の共演ということ
で、いやがおうにも期待が高まるが、あまり楽しめず。芸術祭に参加した
のが良くなかったか。脇役豪華共演ってのはありえないんですかね。 どうなっているの「気違い」?
ニュープリントだというのに台詞が聴き難く全然理解できなかったよ。
山田宏一が観にきてたね。 >>33
こちらもおすすめの本です
「松竹大船撮影所前松尾食堂」
上映の問題なのか、フィルムの問題なのか、『自由学校』ともども、
確かに台詞は非常に聴きづらかったです。音が割れてるというのか。
あと、巻によって画面の中央は明るいものの、周囲がやけに暗いの
も気になります。16ミリだから? 小林正樹の特集でも音は聞き取りにくかった。他の映画館では
そういうことはないんだけど。
これから渋谷をいくつか見に行きますが、そんな音質はきついなあ。 渋谷といえば伊福部や黛の音楽なんだから音質が悪いのはいかん
漏れはだいたい見てるから千石にはいかん
『現代人』みてきました。
池部良の人物造型が非常に面白かった。行動力の源泉は恋狂いだったり
するのだけど。山田五十鈴のマダムはさすが。山村聡、多々良純もよか
った。昨日の2本はハズレだったけど、今日はよかった。やっぱりいろ
いろみてみないと分かりませんね。ただしフランス語の字幕入り。場内
の貼り紙によると、フィルムセンターにあるものも再公開時にシネスコ
にトリミングされたもので、これが唯一のオリジナルスタンダード上映
用フィルムとのこと。音も問題なし。 劇場のクオリティということでは、三百人劇場にも問題はあるだろうが、それでは、京橋の
フィルムセンターはどうなんだ?
溝口の「楊貴妃」なんて、以前に横浜のシネマジャックで上映したのに比べて画面が暗くて、
解像度が散々であったような記憶がある。衣笠の「地獄門」にも同様の印象を感じたぞ。
それから、フィルムセンターでは、オリジナルプリントを上映しているのにもかかわらず
クレジットの左右いずれかの文字の一部が欠ける場合が結構多いのも、どうしたことなのか? >>45
フィルムセンターは、数年前から映写を請け負う業者が変わり、映写が悪くなった、
と言われている。 今日「バナナ」を見てきたけど、音質はかなり悪かったです!
かなり集中して聞かないと聞き取れません。
あそこの音響設備が最悪なのは、もう前からわかっていることだけど、
山中や鴛鴦ならいざ知らず、渋谷のしかもカラー作品であの音はあんまりでしょう。
あそこは椅子の張り替えなどする金があったのなら、音響設備にこそお金をかける
べきでした。
本当に困った映画館だ! 『やっさもっさ』みてきました。
今日もたいへんよかった。小沢栄が悪人でなくて出てくる(しかも準主役)
だけで邦画ファンとしてはポイントが高いのだが、そういった点を抜きに
してもよくできた、考えさせて楽しめる映画だと思いました。ラストも盛
り上がりがちゃんとあるし、後半の小沢栄がそこはかとなくいつもの小沢
栄に戻っているところもよい。
いろいろな映画を撮っているのですね。『バナナ』もみたくなってきた。
入れ替え制とか、音響の問題とか確かにあるけど、特集上映でもない限り
こういった映画に接する機会はないから、感謝もしなきゃいけないのか。
客入りからして、そんなに儲かっているとは思えないし。 暗いと目が疲れるし、音が悪いと聞きとれなかったりしてイライラしてくるから、
見終わるといつも非常に疲れます。たしかに上映される映画は貴重なものばかりですから、
その点は感謝ですが。
明日は「悪女の季節」だ〜。 『悪女の季節』は、プリントの変色がかなりの度合いで、また例によって音響の関係で
音が割れたような、二重に反響した感じなので、セリフも何いってるかわかりにくい。
それでも、岡田茉莉子はきれいでしたし、作品自体はたのしめた。細かい人物関係の
説明が、長いセリフの中でなされるので、最初のほうは聞き取りにくいとかなり
フラストレーションがたまる。 音がいちばん聴き取りやすい位置ってどこなのでしょうか。
画面の関係で、私はいつも前のほうでみてますが。 やはり前の方じゃないですか。
でも何処に座ってもやっぱり聞きづらいと思う。
岡田茉莉子は本当に綺麗ですね。
一番前はフィルムセンター常連の方々ご愛用の席なので遠慮しとく。 「喜劇大誘拐」や「神様のくれた赤ん坊」は佳作だな。
大誘拐の方は後に岡本喜八がリメイク?して
(ミヤコ蝶々がそのまま出演)劇中で派手にヘリを飛ばしたり
したが、人情味重視の前田版の出来には及ばなかった。
>>54
遠慮する必要なんて全く無い。
みんな自分が座りたい席に座るべき。
そういった無用な遠慮が、常連達に変な勘違いを起こさせる原因となる。
もしかしたら54がその常連の一人?
自分が好みの席を確保したいが為の牽制だったりして....仮にそうだとしたら
発想が幼稚過ぎる(藁 『悪女の季節』と『もず』をみてきました。
『悪女〜』のほうは、序盤20分くらいまで、これはとんでもなく凄い
映画ではないのかと期待させられたものの、それ以降はわりと普通。山
田五十鈴と存分に渡り合っていた岡田茉莉子のせいではないが。入社第
1回となっていた杉浦直樹が中途半端だったかな。伊藤雄之助も失速。
プリントは、名画座ならばこの程度はまあ許容範囲という状態。
『もず』はカラーシネスコのきれいなニュープリントで、映画としても
こちらのほうがよくできているのかもしれないけど、ストーリー的にみ
てて辛すぎる。有馬稲子も、気持ちはわかるけど・・・ってかんじでよ
ろしくない。結末も救いようがなく、監督のシビアな人間観?
今日は中央1列目、2列目ほぼ満員御礼。書くまでもないけど、早いも
の順で好きなところに座るのは当然でしょう。 >>55
映芸の前田陽一追悼座談会によると、前田陽一の「喜劇 大誘拐」も、下敷きにした
原作は天藤真だったのでは? という話。だが最終的にクレジットされず。
実は当初は瀬川昌治が監督する予定だった(だから脚本クレジットに残っている) 『悪女〜』でよかったので、岡田茉莉子目当てに『霧ある情事』もみて
きました。今日は入りがいいですね。
とにかく、菅井一郎の、日本の庶民の厚かましさの象徴みたいなダメ親
父ぶりに迫力があり一見の価値。加東大介が東宝から出張してきて、中
盤まで支えてくれてありがたい。でも、後半3分の1の逃避行は中途半
端なメロドラマなのか、イマイチかな。舞台もチト唐突。まだまだ青臭
ささえ残る津川雅彦のナイーブさがもったいない。
でもこれもシネスコ(松竹スコープ)カラー、ニュープリントで岡田み
たさでいいんじゃないですか。上映時間も1時間半。 後半がメインだったはずなのに、
前半を渋谷が拡大したと勝手に妄想。
支那饅の辺り。 すでに何本か足を運びましたが、正直、今回の特集は、これまでの特集(成瀬、マキ
ノ、川島、丸根、沢島)に比べると、かなりグレードが下がっていて、見ていて、も
の足りなさが残ります。正直、まだ凄く感心した作品に出会っていません。とりあえ
ず、回数券が切れるまでは通い続けますが、本当に今一歩の映画ばかりです。
皆さん、本当に心から、楽しんでますか? >>62
禿同!全然おもしろくない。何が川島の師匠だ!品のない奴! 雨の中、『好人好日』と『大根と人参』みてきました。入りはイマイチ。
『好人〜』は、もう一歩でかなり笑えるのに、という感じで、ちょっと
モタモタ。それでも変人に添い遂げる淡島千景の奥さんぶりがいい。鉛
筆書きのオープニングから始まって、勲章泥棒含め、全編楽しめました。
しかし、本作でアクティブな岩下志麻が終盤ちょっと泣くシーンはかな
り残酷。それでも、きれいなおべべで嫁に行けたからいいか。
『大根〜』は序盤あたりまで楽しめたが、あとはしんどかった。「ザマ
ーミロ」に場内は沸いたけど・・・。長門に終始馴染めず。
小津はどういった映画にしたのだろう。別腹の娘のエピソードにもっと
重点を置いたのか。これが「記念」映画だったら、当時は怒った人もい
ただろう。難しいな。片っ端から、何が何でも「再発見」されるわけで
もないだろうから。 >64
おそらくそのせいで、小津の一周忌に公開する予定が一月ばかり遅れたのでは?
>62
小林正樹特集だけだと特集を組む期間が短くなるので、「渋谷+前田」をオマケ
にしたのでしょう。丸根特集の場合も、大映を離れてからの作品は、ちょっと
どうも…というものだったとは思いませんか。
渋谷特集としては、戦前の作品がないのが、やはり特集の格を下げていますね。
また、前田陽一も「名画座で二本立千数百円前後でみる映画の名人」というのが
その本質でしょう。
三百人劇場には、今度は、斉藤武市、野村孝、西川克巳といった日活職人特集を
期待したいですね。(その折は、斉藤武市がチーフをやった田中絹代の「月は上
りぬ」や、西川克巳のお蔵入りした「スパルタの海」の上映を希望する次第)
>>62
渋谷に面白い映画なんてないんだよ。期待して行くな。 「大根と人参」遊びすぎだろ。
小津映画の常連があちこちに出てきて、、特にヒロインが意味もなく
一同に会するのは壮観だが、そういった点を楽しむだけの映画。 >>64
「大根と人参」
小津記念映画でありながら
あくまで自分のカラーを通したところは
いいと思うな つーか、渋谷実に小津の真似をさせるなんて企画はありえない。
脚本も完全に書き直しているし。 >>66
それは、今の渋谷の映画館における上映作品についてのことだと解釈しておきましょう。 でも司、岡田、有馬、加賀といった女優たち、とくに司葉子や岡田茉莉子は
すごくきれいではあったね。 >>64
今読んでて「別腹の娘のエピソード」を思い出したけど、このエピソードも、
なんだかポツンと置き去りにされた感じで、物語の上でもあまり
意味を成さない感じがした。このあたりからして、あんまり真面目に
撮ってないっていう気はたしかにする。
小津野田の構想にはあったのかもしれないが、全然深められていない。
野田高悟との「構想ノート」が井上和男(編)の全集(新書館2003)
に収められているようで、それは未見なのですが、山田風太郎の記述によ
れば、がんにかかった男が主人公で、それを告知するかしないか、家族が
右往左往するプロットだったみたいですね。その主人公はやはり笠だった
のかな? しかしいずれにせよ全く離れた映画になっていたな。
ただ、それは渋谷が悪いというのではなく、彼に撮らせる立場にあった
人だよね。黒澤みたいに弟子筋が担当すればよかったのかな。渋谷・小津
に友情や戦友めいた感情は互いに皆無だったのか。 >>74
なぜ山田風太郎?という感じもしますが・・・。交流あったのかな?
彼の戦中戦後の日記を読むと、小津はじめ、色々映画を見てますけどね。
その「山田風太郎の記述」はどこにあるんでしょう?
全集本もいずれのぞいてみます。
それにしても、信欣三が癌にかかって死にそうだったというエピソードも、
今久しぶりに思い出しました(笑)。観たのはかなり前ですし、こっちの記憶の
問題もあるが、本当に焦点の定まらない映画というか…。実際の映画を見ると、
笠-長門のドタバタ劇と、豪華な役者達、という点ばかり印象に残ってしまって・・・。 焦点の定まらないのが渋谷調でしょう。そこを面白がれないと戦後の渋谷は
ただの最悪監督のひとりではないですか。 > 丸根特集の場合も、大映を離れてからの作品は、ちょっと
> どうも…というものだったとは思いませんか。
> 渋谷特集としては、戦前の作品がないのが、やはり特集の格を下げていますね。
確かに大映以後の丸根作品は面白くなかったけど、前回の特集では、
「春秋一刀流」「狐の呉れた赤ん坊」「天狗飛脚」など、天下の名作も
上映してくれましたよ。特に「天狗飛脚」は全時代劇のベスト5に入れても
よい位面白かったし。
渋谷の戦前作品は何故今回上映されなかったのでしょうか? 「虹をわたって」を見てきました。
フィルムの状態はかなり悪くて、雨が降りまくっていました。
キャストは天地真理、ショーケン、ジュリーとかなり豪華で、
天地真理とジュリーが歌いまくってくれるのが嬉しい(笑)。
もう、それだけで「前田監督、ありがとう」っていいたい位です(笑)。
天地真理は、今、冷静に見てみると、スタイルは悪いし、鼻は上を向いて
いるし、どうして一世を風靡したのだろうと不思議に思えます。
特にスタイルの悪さは凄まじく、スカートをはいているときは、引きの
カメラでは見られたものではありません。
“あ、ひくな!ひくな!”と心の中で何度叫んだことか(笑)。
共演の左時枝の方がずっと美人です。
そんな彼女がブリっこ(死語ですね・失礼)しながら、“虹をわたって”
を熱唱するのですからたまりません(笑)。
昔彼女のファンだった人は夢から覚めたように、赤面しながら、
この映画を見ているかもしれません。
彼女ほど時代に愛された女性はおそらくいないでしょう。 天地真理(現在形)、この前NHKで歌ってましたね・・・。
作り物のすべてを吹き飛ばすノンフィクションのインパクトがありましたが、
前田監督作品もできるだけみたいと思ってます。
山田風太郎の記述は著作の人物臨終図鑑とやらの一節なのですが、ネット検
索の孫引きなので原典にはあたってません。すみません。
すまんついでに、いっしょにひっかかってきた田中小実昌の評によると「へ
たに小津調を真似ない渋谷実の映画は気持ちがよかった」とのこと。
「にっぽんぱらだいず」みてきました。
これは文句なしに傑作。
良い映画ですね。
香山美子の存在感は凄い!
とにかく未見の方は必見です。 「にっぽんぱらだいす」確かに傑作。若き頃の長門裕行がいい味だしてる。むかしの邦画はすごかったんだよな・・
「にっぽんぱらだいす」見た。たしかにいいねこれ。
期待してなかったからちょっとびっくりした。
「にっぽん・ぱらだいす」は今回の特集の目玉の1本ですね。
他にもオススメがあったら、教えてください。
よろしくお願いします! 前田監督特集も始動しておりますが、渋谷監督の『女の足あと』みて
きました。やはり序盤、どんな映画なんだろうとかなり期待させつつ、
うーむ。有馬稲子、ここでもメソメソ、ウジウジ。設定的には、古臭
い女性像とも言い切れない、同様の図式で細部を調整すれば今の連ド
ラにでもできそうな筋立てなんですが。終盤の強引な展開と救いよう
のない結末は相変わらず。戦前、戦後を経てきた人のシビアな人間観
か。大木実もよくわからない(あるいは分かり易すぎる)人物像?
フィルムは終始雨降り、かつしばしヤケたようになり厳しい状態なが
ら客入りは良好。
あと、山田風太郎、原典にあたりました。徳間文庫でした。 俺、『女の足あと』は面白かった。
有馬稲子はいつものごとくだったけど、これは題材に合っていた。
> 救いようのない結末
というか…何、あのエンディング(w あれ大木実じゃなくて木村功だったら説得力あったと思う。
「ちんころ海女っ子」見ましたが、かなり微妙な出来です(笑)。
中村晃子はとんでもなく綺麗だと思うけど・・・。
ジャンルでいうと怪作に分類される作品ではないかと・・・。 『ちんころ海女っ子』は田山力哉がホメてましたね。みてみたいです。
大木実じゃなくて、というのは確かにそうだなあ。
ここぞ木村功って感じですか。 ストリップの伴奏が民コロ愛唱の「幸せの歌」だというので笑えた人は何人ぐらいいたかな?
幸せはおいらの願い 仕事はとっても苦しいが
流れる汗に未来をこめて 明るい社会を築くこと
というやつです。
よく考えてみたら、「ちんころ海女っ子」の脚本は石堂淑郎なんだね。 『バナナ』と待望の『酔っぱらい天国』みてきました。土曜は入りがいいですね。
『バナナ』は、やはり岡田茉莉子をカラーシネスコのきれいなプリントでみている
のがとにかく嬉しいという映画。小沢栄、菅井一郎の怪しい中国人合戦が不発でも
十分満足。尾上松緑のお父さん貫禄あり、杉村春子のよろめき演技も良し。筋書き
は終盤津川のアクションともども混乱ぎみで唐突なエンドでしたが。バナナ1本遠
足に持って行けばヒーローになれた時代のおはなしですよね。
『酔っ払い〜』、期待が大きいだけに、笠にもっと爆発してくれ!と念波を送り続
ける前半も、酒飲みにはたまらない状況もしばしありつつ、まだ後半の大爆発を
熱望。しかし、その後ブラックコメディとはいえ、あまりにもミもフタもない展開
となり、一方で有馬稲子の特出同様の中途半端さが惜しい。徹底すれば、語り継が
れる伝説の作品になっただろう。そこらへんは、弟子の前田監督に期待?
こちらは巻によって雨降るものの、そこそこのフィルム状態。
さしあたり渋谷監督特集は今日でお終いですね。 「バナナ」は確かに荒っぽいし、セットも貧弱だなあ。
「もず」取るために会社の企画受け入れたかな。
原作の獅子文六は戦前「海軍」を書いた岩田豊雄で、
笠原和夫が戦後殺しに行こうと思っていた人だよね。
確かにこの豹変ぶりはすごい。 >>90
> 一方で有馬稲子の特出同様の中途半端さが惜しい。
キャストロールで「有馬稲子(特出)」とありました。
今回『酔っぱらい天国』が一番面白かった。 「にっぽん・ぱらだいず」は確かにいいけど、
>>80-82は誉めすぎじゃないかな。
しかしこれがデビュー作なんだから、
昔の松竹の助監督部は凄かったね。
前田はこの後ろくな企画を当てられてない。
松竹はホワイトカラーがまともだったらねえ。 >>93
当時、新人抜擢を要求した演出部に「いいシナリオを提出した者はデビューさせる」という
城戸のお達しがあったはず。選ばれたのが前田と水川淳三ではなかったかな?
大船の敷地いっぱいに遊郭のオープンセットが建てられたそうで、以後、ここまで
してもらった新人はいなかったという。大船の最後のいい時代ですね。
企画のマズさは、大船の監督さんたちはみんなそう。真価がわかる以前の企画ばかり
撮るハメになった。最近はCSでも観られるし、首都圏ならポツポツ上映もあるし、
再評価しておくれ。>>20-22 自分は残念ながら、CSもケーブルも持ってない。 かれこれ12,3年前になるでしょうか。
当時私の勤務していた某制作会社に前田監督の
ビデオ映画の企画が持ち込まれたことがありました。
内容は強姦殺人鬼を主人公にしたもので、喜劇の達人という
監督のイメージとはかけ離れていて意外だった記憶があります。 >>95
森崎東もそうだが、撮影所出身なのでなんでも撮れる人だし、喜劇に執着していた訳でもないと思う。
もともと、前田さんは文学青年なので、シリアス志向だったのでしょう? 学生時代
からの友人である三浦哲郎の「忍ぶ川」も撮りたがっていた。晩年も南木佳士の「ダイアモンド・ダスト」
の企画を立てたこともあったそうだし。
いまは映画もTVも、往年のようなオーソドックスな監督・演出家がいちばん撮りにくいのよね。
「普通の」映画・ドラマが無くなった時代・・・悲しいわね。 まあ、今の人がヌルイと感じて敬遠するのは仕方ないけど、
(それはいつの時代も繰り返されることだから; 渋谷、木下の晩年をみよ)
60年代、70年代にいい企画を撮らせて貰えなかったのは可哀想。
> 喜劇に執着していた訳でもないと思う。
森崎なんてその喜劇の脚本で城戸(老醜)と揉めて首になったわけだし。 「昨日の敵は今日も敵」を見ましたが愕然としました。
こんなヤバイ話を松竹で・・・・・・
当時は監督も含めてこの話の危なさに誰も気づいていなかったと
いうことですかね。
今見るとあまりにもタイムリー過ぎ。
>>98
「喜劇 昨日の敵は今日も敵」は松竹ではないよ。ナベプロに出張して撮った作品。
ttp://www.jmdb.ne.jp/1971/cu001140.htm 100!
特集おわっても維持できればいいけど、前田陽一をこんなにまとめて見られるのは
そうそうないだろうなあ・・・。 「喜劇 昨日の敵は今日も敵」は平田昭彦の代表作といえよう。 『喜劇あゝ軍歌』みてきました。今日は地下鉄春日駅から山田宏一氏と同道。
まあデタラメな筋立てだけど、フランキー&財津の芸達者コンビでぐいぐい
話しを引っ張る。御霊神社(靖国神社)にさほどヤバさを感じなかったのは、
過剰な意味付けをされる以前の時代だから? それより例のごとく、中盤の
シーンのせいでテレビ放送できなくなっている。そこがやはりいちばんおか
しいんだけど。「涙を拒絶するドライな人間喜劇」というけど、今の日本か
らすると、「情」を強く感じてしまいますが。
もう明日で終わりですね。これしかみれないか。これから地道に拾っていく
しかないかな?
>>102
>御霊神社(靖国神社)にさほどヤバさを感じなかった
感じなかったとはどういう意味で? 日の丸を連想させるタイトルバックから全編、今の目から
見ると、プチウヨ・プチ保守が卒倒しそうなストレートな反戦喜劇そのものじゃない?
「原作」となっている早坂暁も前田さんも、戦争なんか大嫌いなんだね。生
理的にとにかく嫌い。理屈じゃない。
>今の日本からすると、「情」を強く感じてしまいますが。
一般的にイメージされる人情喜劇ではなく、ナンセンスが勝るけど、やはり当時の松
竹なのでウエットですね。賽銭泥棒のくだりのバカバカしさには参った。 103さん、このスレは荒れてほしくないので、できるだけ率直に書きますが。
チラシの煽りから予測していた聖域を侵すようなドキドキ感がもっとあるのかと
思っていたけど、映画全体を見終わった感想として、そういった高揚はなかった
ということです。前田監督が本作に反戦的な意味合いを持たせたかったのかもし
れませんが、それは今日みた私には伝わらなかったということです。
鈍すぎるって怒られるかもしれませんけど。
もちろん、私も戦争など大嫌いです。イラクの刑務所での虐待の実態など知ると
同じ有色人種として暗然たる気分になります。 日本で「反戦デモごっこ」やってるのは212みたいな奴なんだろうな >>104
前田陽一は反戦映画なんか撮らないよ。
好戦映画だって撮らないけど、
反戦映画撮らされそうになったら茶化しちゃうタイプ。 >>104
そうですね、森崎さんや岡本喜八ならもっと直截かもしれませんけどね。
>>105
もっと気の利いた煽り方をしないと、誰も引っかかりませんよ。
>>107
いやいや、『喜劇あゝ軍歌』は立派に前田調の反戦映画になっていますよ。日共的反戦とは違いますけどね。
国家から逃避して、最後に疑似家族的ユートピアでまとまる所などはまさしく前田調でしょ?
後年、TVで撮った『昭和の説教強盗』における、刑務所で結核で死んでいく思想犯の女学生
(つみきみほ)と、看護を命ぜられた妻木松吉(片岡鶴太郎)との心の交流のエピソード
などを見ると、前田さんの人間観・社会観は明白だよ。根は真面目な人だからね。 ・補足
>『昭和の説教強盗』
以前、ビデオ化されたことがあるようですね。レンタル屋やCS・地上波再放映などで見掛けたらぜひ。
上記のエピソード、実は昔観たきりで記憶が朧げなんですが、死を前にして、女学生が
転向を受け容れるのではなかったか? と思う。そのあたり、国家の圧力に負けた、という
描き方ではなく、刑務官にしつこく自分を説得することを命じられた松吉を慮って、女
学生が松吉への感謝の意を表するために転向する、というニュアンスの挿話では無かったかな?
記憶で書いたので間違っているかもしれないが、国家や思想よりも、人間の信頼や優しさの
方がよほど大事だ、という描き方になっていたと思う。
これを見てもバカなウヨ厨は「ブサヨが転向しただけだろ、プ」とか言うのだろうけどな。 >>108
たった一人の愚者を除いてはね・・・
ウヨもサヨもスクリーンの前では一人の人間なのに・・・
純粋に前田映画を愛せない103があまりにも不憫で、同情の念を禁じ得ない。 >>110
愚者ですか? 少し長文を書き過ぎたのはお詫びしますが、早坂や前田の世代を考
えると、別に突飛なことは言っていないと思いますが?
というか、いったい何が仰りたいのか、さっぱりわかりませんが? 後学のために、「前田は
そんなことを主張していない」という反証を示して頂ければ幸いです。
「にっぽんの喜劇映画 前田陽一編」でもお持ちでしたらなお幸いです。私は持っていないので。 前田映画の魅力を論じるのに「ウヨ厨」や「ブサヨ」なんて言葉を持ち出すこと自体がが突飛なんですよ。
総合芸術である映画を二元論で語ることの愚かさ・・・そろそろお気づきになってください。 103さん、教えていただいてありがとうございます。まだ前田監督総計5本
しかみてないんですが、『昭和の説教強盗』のタイトル憶えておきます。 でも、最高傑作は、デビュー作の「にっぽんぱらだいす」だろうが。
企画に恵まれずに、デビュー作以上の作品を撮れなかったのは、才能の浪費である。
責められるべきは、映画が斜陽化した「時代」なのか、それとも当時の松竹の首脳部か? 日本の映画に対する政策も。
戦前に行った集約そのまま松竹、東宝に引き継がせちゃったから…
幹部を公職追放した民生局が、配給を分離分割しなかったのは理解に苦しむ。 『にっぽんぱらだいす』後半、赤線の最終日で
螢の光を歌いながら別れを惜しんでいる連中に混じって
「お、何だ、卒業式か?」とか言いながらワンシーンだけ登場した
佐藤重臣が見られてお得感があった。
あと菅原文太も菅原通済も長門勇も。 全然話題に上りませんが、三百人劇場の特集最終日で
観たのですが「神様のくれた赤ん坊」って佳作ですね。
アラカンが観られただけでも良かったです。 なんせ見る方法がないからな。DVDにもなってないし 122さん遅いですねぇ…、僕もちょっと探してきます みつかりました。フィルムセンター(京橋)での渋谷監督上映情報です。
例の追悼特集で、有馬稲子のウジウジぶりが堪能できる『もず』やります。
12月17日(金)19時と来年2月12日(土)11時。
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