現在、緑魔子といえば「盲獣」の女優というふうになっているが、緑魔子は増村保造にインテリ風
を吹き込まれた、ボードレールの詩と緑魔子のヌードで構成された写真集を出したり
したのも増村保造が関係しているような気がする。短期間ではあるが、
緑魔子は増村保造とも恋愛関係にあった。増村とは「大悪党」や「ザ・ガードマン」も
撮った。ザ・ガードマンはヨーロッパロケである。
三派系の学生運動にシンパシーを表明したりもしはじめた、このへんは石橋蓮司の
影響もあるかと思う、石橋蓮司はゴダール好きである、緑魔子もゴダール映画の事を
メディアで論じ始めた、緑魔子がアンナカリーナに影響を受けている事は映画を
観ているとよくわかる。「死ぬにはまだ早い」では少し気取ったセクシーな人妻役
大島渚の「帰ってきたヨッパライ」ではわけのわからない韓国人兵士の役を演じた。
ドラマ「プレイガール」は緑魔子のネームバリューがあって初めて企画にゴーサイン
が出た、当時それほど緑魔子の人気は絶大だったのである、しかし緑魔子は全然やるきが無く
あっというまに降板してしまうが、ヒッピー娘役が非常に印象的である。
このころのギャラは東映で75万他社作品で90万。

緑魔子は金を稼ぎまくり千駄ヶ谷に新築高級マンションも買い、東映からも独立し
石橋蓮司のホームグラウンドであるアングラ芝居にも進出した、奔放な性格に増々拍車がかかり
新宿風月堂で外人ヒッピーと戯れあい、マンションは銀行に取り上げられ、
テレビの生放送を本番5分前にすっぽかしたりした。元祖プッツン女優のはしりと現在いわれているのは
そのせいである。