僕は天使ぢゃないよ 1977、5
 ひとりよがりなアートムービー。緑魔子とあがた森魚の熱愛時代の記録でもあります。
 あがた森魚が嫌いで緑魔子が好きな俺にとっては悪夢のような映画。
 緑魔子が一番可愛いのは24〜7歳ころだと思います。本当に若い頃の彼女は
 エネルギーを制御できない危うい天然さが魅力ですが、その後の少し余裕が
 出ていろんな役にどん欲に挑戦していた頃が一番俺の想いも熱いです。それは石橋蓮司と出会って
 出産するまでの時期と重なります。緑魔子はその時々に付き合っていた男に強く
 影響されるみたいですね。郷里の英語の先生に惚れて英語少女になり、
 初体験の相手であるタンゴピアニストの存在も彼女の経歴には強く影を落としているようですし
 監督渡辺裕介によって女優緑魔子は創造され、石橋蓮司によって反体制的な姿勢を獲得したように
 思えます。あがた森魚は緑魔子にどんな影響を与えたのでしょうか?よくわかりませんね
 所詮その程度の男だったのでしょう、森魚は魔子に遊ばれてポイです。わっはっはっは。
 それはそうとしてあまり幸福ではなかった彼女の生い立ちに起因する、人生を自分で切り開いて行く
 事への強烈な熱情や社会の偽善や鼻持ちならないスノビズムへの純粋な嫌悪
 それらが緑魔子を構築している大きな構造だと思います。★★