「柳生一族の陰謀」のぼくの役は現在のぼくとしては、失敗したと思ってる。
立ち回りもね、自分が斬ったあと、どこを斬ったかが映ってない。台本読んだ
段階で面白い役だと思いましたけどね。ぼくは台本読んだ段階で、自分の
中で映画ができちゃうわけですよね。あそこはこうで、ここはああとかね。
そういう意味で不満だった。
 あの公家の役が誰も気にしないようなつまんない役なら気楽にやってね、
他を喰ってやろうってことになるけど、役者、負担ですよ。面白い役で、
それを面白くやるというのはね。
 剣道に心得あるもんですからね。だからつまんないんですよ、立ち回りが。
キメなきゃいけないとこにカメラを据えて、どういうときに斬って斬られたか
ということを見せる必要あるんですな、立ち回りは。
 ラッシュ見て、立ち回りが不満だった。だけど、まあ、サクさん、そういう
とこ感じてるよ。