上から続きます。
ただ由貴さんがなぜベルセルクにこだわるのか、ベルセルクは反宗教的な漫画、宗教の偽善と慣習と束縛に疑問を感じているからではないか、
そして逆に舞台や映画の自由で解放的な世界にあこがれる(ベルセルクでいえばファルネーゼは旧世界を棄て新世界へ向かう)
のではないかと日頃から思っています。

ずっと前に自分は彼女を相克(そうこく)の女優と呼びました。
素直で頑固、奔放で家庭的、静かで激しい、魔女で天使、脆くて強靭、厳しくてやさしい、ガチャピン顔なのに美しい、
武部さんは彼女の事を「究極の不安定」と呼びましたが芯は堅固に安定している部分もあるなど........
この「相克」は日常生活の中では、大きなマイナスとなって生きづらい。
ただし、この「相克の感情」こそが強く役立つある職業が存在する。
それが千化の表情が必要とされる女優、だからこそ彼女は女優を続けるべき、その特質が生かせる唯一の場なのですから。

つづけてもう一つ書きます。上に書いたこととは反対のようにとらえる方もおられるでしょうが、
今回の欣ちゃんのショーを見ていて思ったことがもう一つあります。
彼女は3時間の間、萩本さんの無茶ぶりに、困惑しながらも懸命に答えようとしていた、
コメディとコントの違いでうまく回らないところもありましたが嫌な顔ひとつせず、懸命に頑張っていた、
最後はきちんとお礼の言葉で表現したし、共演者にも敬意を払いながらも常に立てるようにしていたように見えました。
女優としてB型の性格といわれる直情的で、わがまま、気分屋でチームワークが苦手の芸術家タイプと思っていましたが、それは思い違いかもしれません。
他の方がとっくに滅んでしまったパッシングを3度も誰よりも強く受けて、まだ誘いがたくさん来る.........もしかしたらこれがその秘密かもしれない。

製作者にとって作品は自分の子供のようなもの。
できるだけ気持ち良く、順調に育ってほしい、そして感動を与えられるような面白いものにしたい。
作品作りに向かって一緒に懸命に頑張って、皆を導いてくれる方がいれば、その誠実さは何があっても必要とされるのではないでしょうか。