多くの女優さん方が自分からまたは事務所の力で積極に売り込んでいくのに、彼女にその力はない。
そして一昨年の騒動で、すべての辞退を発表した時すべてを無くしました。
それでも彼女を使ってみよう彼女に演技をやらせてみようなんていう人は誰もいるわけはないとマスコミは書き立てましたが、実際はどうだったか。
製作者に声を掛けさせる、一緒に仕事をしたいと思わせる力、これも一種の才能、そして女優としては最も貴重な能力なのかもしれない。
歌だって、松本さんも、武部さんも、筒井さんも、谷山さんも由貴ちゃんと仕事をやりたかった、やって良かったと言われています。

彼女の女優としての活動は、頑固な焼物の工房のようなもの。
その商品を気に入ってくれ、欲しいという人に対し一つ一つその人の希望に合わせてオリジナルに作っていく。
売れ筋商品を大量生産し、多くのセールスマンを使い、強い販売力で売りこむ現代的な方式とはかけ離れるが、
そこには作品にかける強い思いがこもっており、人の心を動かすことができる。
そして芸術と呼ばれるものも、たぶんに主観的ではありますが、そんなところにこそ
存在するのではないか(一部の人にしか理解されないかもしれないが)とふと思いました。