戦時中の国策映画や満洲映画について語るスレ
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「私の鶯」(劇場公開時「ハルピンの歌姫」)でしょう。何年か前にフィルムセンターで
観たけど、白系ロシア人に育てられた日本人の孤児(李香蘭)の話で、親子の情愛が
基調になっていて戦意高揚映画という感じはあまりなかったな。少なくとも上記に出てきた
「サヨンの鐘」よりは鑑賞に堪えれますよ。 終戦記念日特番(今や民放ではどこもやらなくなったね・・・)で
NHKが深夜にドーンと戦時国策映画一挙放送とかしてくれんかな
ウヨサヨ大集結して実況板大盛り上がり間違いなし
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ミミ彡彡゙゙゙゙゙""""""""ヾ彡彡彡 俺様 最凶ォォォッ!!もうすぐリアル戦争を拝ませてやるからYO
ミミ彡゙ ミミ彡彡 ,-v-、
ミミ彡゙ _ _ ミミミ彡 / _ノ_ノ:^)
ミミ彡 '´ ̄ヽ '´ ̄` ,|ミミ彡 / _ノ_ノ_ノ /)
ミミ彡  ゚̄ ̄' 〈 ゚̄ ̄ .|ミミ彡 / ノ ノノ// ハイル コイズミ!!
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ゞ| 、,! |ソ _. -‐ '"´ l l-、 ゙ ノ
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└──┘└──┘└──┘└──┘└──┘└──┘└──┘└──┘└──┘ 「雷撃隊出動」、良いよ。
南方戦線に配属された航空部隊の話なんだけどさ、その中で白人の捕虜を尋問する件があるんだが、なんかすごい堂々としていて「敵ながらあっぱれ」てな感じで描写されてるの。
昭和19年公開なんだが、すごい意外。
しかも、航空隊の連中休憩時間に野球やってるんだが「ストライク!」と…
空襲を受けた後、悔しそうにしている若手の横で「戦をしとるんじゃよ・・・」
と主人公が言う場面が大好きです。時代劇っぽい言い方で。 「雷撃隊出動」は今は亡きキネマ倶楽部でしかビデオが出ていなかったんだよね…
今や入手困難。DVD化の話も無いし、非常に残念。
良い出来なんだがナァ
原節子・山根寿子・デコちゃん共演の「北の三人」見た人おる?
昭和20年の8/9(長崎原爆投下、ソ連参戦の日)から終戦まで公開されてたヤツ。
今月衛星劇場かな?で放映してるようだけど。
この作品が残ってて、なぜ轟夕起子主演のスパイもの「間謀・海の薔薇」が残ってへんの? >>107-109
どれも円谷英二の特撮が最高だった。 満州映画に関する著作を出している
山口猛氏が亡くなられましたな 心より、ご冥福をお祈りします…
あの世で甘粕さんなんかにインタビューでも敢行してんのかな 高峰秀子特集で国策映画連発ですな。
予算が豊富そうですわ。 >>113
「ハナ子さん」の馬場の横のススキの原っぱ、
ススキは東宝の撮影所にスタッフが植えたな。かなり広範囲だったが。
下が砂地で古株もなしで不自然だった。 当方の国策映画に出演されてた
三谷幸子も可愛かったね。
「かくて神風は吹く」は、主題歌がイイ!(主題歌だけが)
あとは、轟の「ハナ子さん」だったか、そんな名前の映画。 「雷撃隊出動」は凄い厭戦映画ですた。ミニチュア特撮凄い。 >>118
「雷撃隊出動」いいですね。あれでよく検閲通ったもんだ。店のばあちゃんの
「南方名物の砂糖が南方でも手に入らないんじゃ…」とか米軍捕虜がアメリカ
の物量を誇ってたとか語るシーンとかかなりヤバそうなんだが…
>>119
「飛行機さえあれば・・・・・」と
念仏のように唱え続けまくるあたりがすでに情けない
そんな状態で戦争すなや
それに対してミニチュア特撮や合成はかなり凄いシーンが次々と
物資は欠乏してないのか >「馬」のラスト、軍馬として徴用される愛馬を見送るデコの涙。
これも無言の抵抗ぽく見えた。監督違うけど。
馬は戦争と関係あるのは「軍馬」という部分だけ。
別にあれが「軍馬」として徴用というシーンでなくて
単に売られて行くシーンであっても全然問題ないというか
冒頭の字幕がなければ、戦時中に作られた作品と
特に意識することもない。
あれは自分が可愛がっていた動物との別れの悲しさを
表現してるだけで、反戦とか好戦とか持ち出すのは筋違いだよ。
>木下の厭戦思想に疑いは持っていないんだが……。
しかし「一番美しく」は本当に最低。全集所載の、
ブルーノ・タウトをモデルにしたオリジナル脚本も最悪。
黒澤は溝口ばりの変節漢だと思うが……。
では、お前さんがその時代に生きていたとして
どんなに、立派に行動できたというのか?
この戦争は間違っているとか言って
街頭をプラカードでも持って歩くつもりか? 今日ラピュタ阿佐ヶ谷で「地獄の顔」を観てきました。
戦後のギャング映画なので、スレ違いなんだけど、
これはたぶんGHQ/CIEの指導で撮った映画だと思います。
つまり体制に傾いた映画という事だと思うので、ここに書いてみます。
ギャング映画なので、本来占領下にはふさわしくない映画なんでしょうが、
主人公は更正を願っていることと、最後死んでから、
魂が体を抜けて身を隠して教師としての自分の居場所を見つけた教会に入っていく、
つまり魂の救済をかなり明確な形で表している点でセーフなんでしょう。
こういうラストは、メジャー邦画だと隠れキリシタン映画くらいしかないんじゃないでしょうか?
かなり異色だと思います。しかも松竹京都。
「上海陸戦隊」実写フィルムが随所に挿入されているが、鉄兜もかぶらずに
真っ白の水兵服で、三十八年式歩兵銃だけで戦ってるのが哀れです。 えーと、このスレ的には佐藤忠男の「キネマと砲聲」(岩波現代文庫 ) が
面白いですよね 少し高いけどピーター・ハーイの『帝国の銀幕』(名大出版会)も面白いですね
あと古いのでは岩波講座『日本映画』の4巻「戦争と日本映画」かな 何年か前の8月に放送されたNHKスペシャルではカラー映画「千人針」が少し出てだね。
全部で5巻あるらしいが現存しているのは一部。
NHKのHPでは公開するつもりはないらしいと言っている。
残念だな。 昔の映画を見れるのは幸せだけど所有している組織の権威ぶりには閉口するな。
公開、提供しているとか活動を自分からアドバルーンをあげてアピールするところには
ろくなところがない。税金などから予算を確保しての活動で、意義はわかるけど
今後の公開作品は納入など、我田引水で政治に癒着する部分は案の定でカッコよく
装おうが、下の人や出入り業者へはイジメが容易に想像できるな。
映画会社がソフトを出してエンタティメントの楽しみを盛り上げて映画倶楽部のように
盛り上げて欲しいもんだ。著作権が切れたらデカイ態度に出るのは必死だ。 久々にageます。どちらも国策映画とは言いがたいかも知れないけど…
今日、フィルムセンターで豊田四郎の『若き姿』、
製作: 朝鮮映画、配給: 紅系を観てきます。
http://www.jmdb.ne.jp/1943/bs000680.htm
発掘された映画たち2005では、
李香蘭主演『萬世流芳』中華総合製片公司=中華電影=満映をやるそうです。 それからラピュタが戦後60年記念企画「八月十五日、その日まで。」です。
将軍と参謀と兵/激動の昭和史軍閥/あゝ陸軍隼戦闘隊/海軍/潜水艦1号/
ハワイ・マレー沖海戦/指導物語/パレンバン奇襲作戦/野戦軍楽隊/ハワイ・
ミッドウェイ大海空戦太平洋の嵐/愛の手紙は幾歳月/藍より青く/太平洋奇
跡の作戦キスカ/ビルマの竪琴[総集篇]/大日本帝国/日本戦歿学生の手記
きけわだつみの声/野火/日本のいちばん長い日/南の島に雪が降る/殉愛/
激動の昭和史沖縄決戦/戦艦大和/ひめゆりの塔/みんなわが子/日の果て/
白い肌と黄色い隊長/戦場にながれる歌/肉弾
発掘された映画たち2005では、
「特別任務班 日露戦争秘史 興亜の人種」(1941)
「姿なき敵」(1945)
もやるね。 >>130
「若き姿」、こてこての国策映画でした。
http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2005-06-07/kaisetsu.html
日本支配下の朝鮮を舞台に、日本の勝利を信じて厳しい軍事教練に励む中学生
たちを描く。1942年に設立された国策会社、朝鮮映画の第1回作品で、女優文
芸峯(ムン・イェボン)など現地の名優も出演したが、スタッフはほとんど内地
から派遣された。冒頭が欠落している。
で、豊田四郎、八田尚之まるでやる気なし。ストーリーが成立してない…
三浦光雄の雪山の撮影は素晴らしかった。 李香蘭「萬世流芳」など、幻の名画56本を特集上映
「萬世流芳」は1942年、満映、中華電影などの合作映画として、上海で
撮影された。アヘン戦争で活躍した林則徐を主人公にした娯楽大作で、
李香蘭さんはアヘン中毒の恋人を更生させる女性を演じている。
日本では44年に公開されただけで、フィルムは中国の資料館に保存されていた。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20050624i515.htm
発掘された映画たち2005
http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2005-07-08/kaisetsu.html 「将軍と参謀と兵」見てきました。
戦争スペクタクルとしてよくできていました。
北支でのロケが凄まじいです。坂妻が現地に行ってないのでカットつなぎが不自然です。
黄河に出る作戦なのに、直前で終わっているのはカタルシスに欠けます。
国と軍の力と金を借りた映画の豪華っぷりを知るために必見だと思います。
戦争の描き方としては、兵站無視の突撃賛美、
自己の生命の犠牲的貢献賛美は少し入っています。
1942/3/7に公開だからまだ戦局は上場の段階、
この段階で既に兵站無視と犠牲賛美ですね。
後、階級差の違いによる上下関係が、
戦後の映画とほとんど同じ内容を描いているはずなのに、
こっちのほうがずっと扱いの差を感じるのが不思議な気がします。
どうしてそういう印象を持つことになるのか… 何年かぶりで「桃太郎 海の神兵」を見ました。
何年か前に名古屋地区でTV放送されたものの録画。
昭和20年公開?の松竹映画で、音楽サトウハチローとなっていました。
戦意高揚映画としては叙情的な作画、表現でした。
後半、米兵(こめひょーではなく、美国の兵隊)に相当する「鬼」が
桃太郎たちにネイティブの英語で、We surrender、とか言い、ほか
にも英語のセリフがありますが、アテレコは誰がやったんだろう。
まさか捕虜?
そういえばジェンキンス氏も北朝鮮で映画に出たことあるんでしょ? 小津もシンガポールで捕虜を役者にして、
インドの独立運動の映画を撮っている。
敗戦時に全て破棄。 >>138 政岡憲三(くもとちゅうりっぷ)の影絵アニメが印象的ですね 今、日専で、
監督山本薩夫、脚本外山凡平、黒澤明、
製作藤本真澄、特技監督円谷英二、音楽服部良一
撮影完倉泰一、照明岸田九一郎の「翼の凱歌」('42)やってるけど、
流石陸軍の宣伝映画、物凄い量のライト使ってます。 >>139
> 敗戦時に全て破棄。
宮島義勇も捕虜使った映画撮っていて、敗戦時にフィルム破棄しているな。
四方田が「日本映画史」で「それで左翼の大物に収まることができた」と揶揄している。
(全般的に共産党に辛い書きっぷり) ジェイキンスさんが北朝鮮の映画に出たようなもんかね 小津のケースは、相手に敬意を持って接したので、
そのまま戦犯に問われることなく、元軍属としてもよい扱いを受けている。
スコットランドの武官がノーパンでいることを可哀想に思って、
パンツの差入をしたそうだ。キルトはノーパンって事を知らなかったそうだ。 「舞台姿」('40)
若手二枚目は、半ばで(たぶん軍需産業の)会社の方が自分に向いていると
就職して役者廃業、一座はラストで浮世稼業に終止符をうつために解散。
古い歌舞伎一座は、新体制に合わない滅び行くものという展開。 花咲く港、面白いね。戦争の為に船をつくるという事にペテン師2人が
いつのまにか真面目になってるのがうまい処理。
木下恵介はデビュー時から戦争と付き合う必要があったんだね。 「学徒」たちの「戦争」http://www.archives.tohoku.ac.jp/tenji/17kikakuten.htm
−東北帝国大学の学徒出陣・学徒動員−
期 間 平成17年11月1日(火)〜平成18年2月24日(金)
11月3日(木・祝日)および11月5日(土)も開催いたします。
※その他の土・日曜、祝日および年末年始(12/28〜1/4)は休館日です。
会 場 東北大学史料館2階展示室http://www.archives.tohoku.ac.jp/index.htm
時 間 午前10時〜午後4時(午後4時までにご入館ください)
入場無料
●ギャラリー・トーク
当館研究員が展示内容について解説いたします(所要時間40〜50分程度)
11月3日 第1回 12:00〜 第2回 14:30〜
11月5日 第1回 12:00〜 第2回 14:30〜
※その他、随時実施いたします 満州アーカイブス 満鉄記録映画集 DVD-BOX
> 日本の戦争の歴史を語る上で欠かせない国・満州。本作はそんな満州と日本の
> 関係を語る上で欠かせない“第一級の歴史的資料映像”を集めた12枚組
> DVD-BOX。満州映画製作員が手掛けた日中戦争華北戦線の従軍映像から、
> 当時の文化や娯楽を紹介する。
だって。夏(2005/07/21)に出たらしい。 ケーブルTVで「小島の春」をやっていたが、あれは国策映画に思える。
この時期八木保太郎は
1940.07.31 小島の春 東京発声
1940.09.25 燃ゆる大空 東宝映画東京=映画科学研究所
1941.02.05 大地に祈る 東京発声 ... 構成
1941.11.07 わが愛の記 東京発声
1942.03.07 将軍と参謀と兵 日活多摩川
と連発しており、その一つだろう。
国民総動員体制下、らい病者が兵隊のまぎれこんだらまずいということだろう。映画自体はらい病者用病院に収容され別れのつらさを中心に穏やかに描いているが、これはらい病者が収容されるのが前提だから成り立つ叙情だ。 あと、あの当時は国家社会主義的な統制を押し進めているから、
らい病患者隔離なんかは先進的な政策って雰囲気なんだよね。
まあ豊田は巧いまとめていると思う。
らいのことを置いとくと、良くできた映画だから。
国策映画撮って良い悪い言う時代じゃなくなったな。
そもそも、みんな死んでしまったし。 教えてくんなせい、清水宏の「みかへりの塔」て国策映画なの? 結局、日本の戦意高揚映画ではハワイマレー沖海戦以外では
ほとんど再現映像での戦闘シーンは見られないし、
陸上戦闘もきちんと描かれたものはほとんどない、
ということでいいでしょうか? ttp://direct.nagase.co.jp/dvds/ItemDNN-870.html
満映作品集(望郷篇) ラピュタ阿佐ヶ谷の山口淑子特集で『サヨンの鐘』を見てきたよ。「中国人」なのに日本語ぺらぺらで、日本の皇民化教育や台湾人動員を賞賛してやまない高砂族娘役の李香蘭。あれじゃ売国奴扱いされるの当然だよな。 >>159
> 高砂族娘役の李香蘭。
「中国人」ちゃうやん!
李香蘭は誰からも「中国人」女優と思われていた、ということだろ 「暁に祈る」1940年松竹 佐々木康監督を見ました。
おおまかな筋は、主人公は馬業者の娘、田中絹代で、社員の馬業者冬木(夏川大二郎)に横恋慕されたが、その友人の石川真吉(徳大寺伸)と結婚してしまっている。
冒頭石川が出征するが、絹代の母は結婚に反対だったので、祝いの席に出ないと言う。
石川が飼っていた馬:太郎は軍に買い上げられ、次に田中絹代に恋慕していた友人冬木も徴兵で騎兵となり、太郎号を割り当てられる。
馬が活躍する厳しい戦闘の中、石川は戦死し、絹代は立派な軍人の妻となる。
でも話がいまひとつわからない、
・石川の残された家庭は生活が厳しいというがそんな感じではない
・銃後の状況が前線と同じ比重で描かれるがドラマがないように思う
・この映画の重要点は愛馬の歌にのせて戦争を描くことだと思うが戦闘状況がわからない。石川も冬木も戦闘状況が不明、特に太郎号をどう使ったのか?
・物語上で石川を殺した理由がわからない
こういう映画の読み取り不足が、こういった戦前の映画の正しい評価を
妨げていると思う。
見方が悪いのか、誰か教えてください。 松竹は佐々木康監督の戦前の戦争映画のビデオをかなり出してますが、
パッケージには軍歌もの、というようなことが書いてありますが、
当時ヒットした、有名なものなのでしょうか? タイトルだけ見て、例のソ連の日本軍捕虜収容所の「暁に祈る」事件の映画化かと思った。 別に戦時歌謡に詳しくなくてもいい。ただ「海行かば」「暁に祈る」「露営の歌」「同期の桜」
くらいは知っていてほしい
「間諜未だ死せず」 1942年 吉村公三郎監督 を見ました。
憲兵隊後援の防諜映画、開戦前夜の日本でアメリカのスパイ活動を描く。
しかしこれは失敗作だ、情報省?の役人でなくても叱りたくなる。
中国とフィリピン人スパイがアメリカと協力して謀略工作(思想宣伝、株価操作、工場爆破)をするが、実はアメリカに利用されているのに過ぎないことに気づき、夫々自国に帰ろうとするがアメリカスパイに惨殺される。
しかし、殺される彼らに焦点があたりすぎていて、哀れを誘う(特にフィリピンスパイの日守新一)、なんの映画を見てるのかわからなくなる。
この悩む部分や議論する部分の感じは戦後早々の民主主義宣伝映画などの感覚と同じであり、とてもアメリカ人を憎むような感じではない。
取り締まる憲兵隊の親玉、佐分利信は鷹揚としすぎて、余裕というよりアメリカスパイと仲がよさ過ぎる。
同時期にアメリカが「東京スパイ大作戦」などという完全にスパイ映画のパターンを備えた映画を作っていたことを思うと、思想ではなく純粋な映画技術で負けているのが明確だ。(吉村公三郎なんかに撮らせるのがいけない!) >>164
SHVのビデオの品揃えを見ると、松竹の戦意高揚映画で最も重要な人物が
佐々木康に見える。そうなのか? 愛機南へ飛ぶ 佐々木康 1943.09.10
水野武(原保美)=初めは子供8歳、後に偵察機操縦者
水野久子(信千代)=子を気遣う軍国の母
水野進(佐分利信)=すぐ死んでしまう父
冒頭夫婦と子供の将来が提示され、子の行く末はその子次第と言う、しかしすぐに父は死んでしまう。母は再婚などの機会があるが子を守る。
やがて大きくなった子は航空兵を目指し、母はやさしく見守る。兵学校の筋目正しい紹介。子は偵察機操縦士になり母は軍需工場で働く、前線と銃後の呼応の感覚。
ついに前線へ赴く、明るく勝てる戦闘という兵たちの会話、主人公の偵察機は敵飛行場を偵察後、敵編隊を発見後をつけることで未確認の新飛行場を発見する、
しかし燃料は厳しく、敵戦闘機の攻撃で被弾、自爆を決意する。しかしその瞬間母を思い出した主人公は機を引き上げ無人島に不時着する。
隊長は捜索を開始し無事発見される。後日主人公からの報告で大戦果を上げた報を読む母たち。休暇で帰還した息子と静かに話すのだった。
既知の航空兵募集のための筋立てだが、つまらない、理由は葛藤の不足にある、主人公が航空兵になるまでに母の再婚話以外障害はないし、戦闘ではかなりの危機があるが危ないという演出はされず不明である。
そして映画の焦点が優しい母と母思いの子の優しい関係にあり、如何に戦闘シーンがあっても映画全体では勇ましさが欠けるからだろう。これは戦争よりむしろ60年代の「母もの」の先駆的映画に見える。
しかし奇抜さやスリルを求める娯楽戦争映画の観客には不満でも、60年前の当時は十分面白みのある映画だったように思われる。
60年前の10代の観客の目には戦闘シーンは圧倒的だろうし、兵学校の描写は自分の近い将来の憧れであろうから十分魅力的だったのではないだろうか。
そして母親にとってはこれでも十分勇ましく、かつ誇らしく映画であったように思う。
大規模な航空戦シーンをあえて背景にとどめた、日本的情緒のプロパガンダ映画と思われる。 「撃滅の歌」 監督:佐々木康 1945.03.29 71分
歌を大学で学んだ3人娘(高峰三枝子、轟夕紀子、月丘夢路)を軸に、歌でムード的に流す映画。3人は藤原義江の弟子ということで、藤原自身が台詞や歌う場面がある。
卒業式の後、前半は上海の歌劇場でのカルメンや怪しいスパイ風人物など、前半はそれらしいが後半はまともな筋がなく、予定したとおり撮影できなかったように見える。製作状況が厳しく簡単に撮れる絵と昔のフィルムで作ったのだろうか。
炭鉱の労働者などに歌をかぶせてもなんとなく映画が進むのは「軍歌もの?」の強さでそれ故、佐々木康が戦時下多くの映画を作れた原因ではないのか?末期的状況の哀れな映画。 すみません、
1938 亜細亜の娘 田中重雄
1942 香港攻略・英国崩るるの日 田中重雄
1943 シンガポール総攻撃 島耕二
1943 マライの虎
1943 成吉思汗 牛原虚彦
1944 かくて神風は吹く 丸根賛太郎
といった映画について、見たことのある方いらっしゃいますか?
どんな映画か是非知りたいのです。 3月6日(月) 後8:00〜9:30
ハイビジョン特集 はるか故郷を離れて 中国映画を育てた日本人たち
中国で映画が制作されてから100年目の今年12月、北京で映画博物館がオー
プンする。その中で、戦後の中国映画の基礎を築いた日本の映画人たちの存在
が初めて公にされることになった。戦後8年間に制作された中国映画の中で、
日本の映画人が関わった作品(日本未公開)は、実に30本にのぼっている。彼
らは、かつて東洋一の規模と最先端の映画技術を誇っていた満映(満州映画協
会)所属の映画人たちであった。敗戦とともに中国共産党の支配下に入った満
映では、内田吐夢監督ら多くの映画人が、新しく設立された東北電影制片所に
参加する。敗戦後の混乱を生きるための苦渋の選択だった。日中映画人の協力
関係は 1953年まで続いたが、日本人の存在は中国社会において長くタブーと
され、最近まで公にされることはなかった。当時、安芙梅の名前で多くの作品
を編集した岸富美子が今年10月、中国を訪れる。日中の映画人たちは、戦争
による確執を乗り越え、いかにして中国映画の基礎を築いていったのか。番組
では、岸の中国訪問を軸に、生き残っている日中双方の映画人の証言、日本未
公開の作品などを駆使しながら、数奇な運命をたどった映画人たちの戦後のあ
ゆみを掘り起こす。
戦前のこういった映画を見たいのですが、ミニシアター(名画座)でやるはずもなく
ビデオで見ようと思うのですが、図書館などでこの手のビデオが割合ある所を
知りませんか?
>>173
ここで聞かれてもね〜。首都圏・関西圏なら名画座・オフシアターをマメにチェックしてく
ださいとしか言い様がない。恵比寿や新宿のTSUTAYA行けば? CS入れば?
それと、たまに意外なレンタル店に意外なモノがあるんだな〜。
図書館についちゃちょっと分からないな〜。最近は外から検索出来るようなので、
自分で図書館サイトのデータをチェックしてくれ、としか言えないね。
大学でも映像資料を集積していて学生が利用可能な所はある。
自分で検索すらせずにクレクレ厨するのはいただけない。図書館・大学のアーカイブやレンタル
店を覗いたり、自分の足と眼で捜すもんでしょう、こういうことは。 大学・研究所の図書館のは一度に検索できるよ。
http://webcatplus.nii.ac.jp/
例えば「新しき土」は名大、北大にビデオ、
横国、学習院、関福科大、京大、金大、神芸工大、神戸松蔭、北大、明星大、龍大に
DVDがあることがわかる。京大、明星大のは(学内だけだと思うが)上映可能なんだな。
「日独合作映画『新しき土』をめぐって」って論文もあるんだな。
各大学・研究室図書館の利用方法も検索結果から分かる。
プロ以外あまり利用してないけどとても便利。他大学から取り寄せも可能な場合多し。 >>173
以前は銀座に「並木座」って映画館があったんですけどねえ・・・。
潰れちゃいましたね。もう10年くらい前になるのかなあ。ほんとに残念。
「加藤隼戦闘隊」では隊員達が部隊歌を合唱するシーンがあるんですが
観客のおじいちゃんたちが一緒に歌ってましたね。いい時代でした。 >>175
あんがと、でも大学図書館の横断検索は
http://webcat.nii.ac.jp/webcat.html
だね、そして公立図書館の横断検索は
http://unicanet.ndl.go.jp/psrch/PSearch.do
でしょう。ただ実際には大学の図書館ではビデオは所蔵&運用していても
検索できない所が多いように感じる。
また公立図書館の横断検索の方は現状、ビデオは対象になっていない。でもこれはまだシステム構築途上だからこれからですね。 大スペクタクル映画「阿片戦争」を見ていたら、椿三十郎の
「でもいい刀は鞘に収まっているものですよ」
を先取りしていた。黒澤はこれをぱくったの?それとも別にネタがあるのかな? >>177
ビデオは載せてるよ。少なくとも最近購入したのは。
大学に任せているわけじゃないから。学情が主導してる。 >>178
常套句
類似に「鯉口を切らない」など。 「開戦の前夜」 1943.01.14 吉村公三郎
英雄=憲兵少佐:上原謙、人間味あふれる優しい夫で秘かに芸者に懸想
悪人=アメリカ武官ノックス:竹内良一?
芸者:田中絹代、憲兵のため身を呈して秘密を守る
ひどくつまらないスパイ(防諜)映画。
日米開戦を目前に日本の軍事施設を爆撃の下見のため訪問しようとするアメリカ武官の旅行を阻止しようとする憲兵の活躍を描くはずが、描かれたのは女の意地になっている。
上原謙の憲兵は肝心な時には風邪で寝ており、彼の意向=国の都合を大切に思う芸者(田中絹代)は海岸沿いを走る車を海に突き落とす事で、自分の命を犠牲にアメリカスパイを死に至らす。
ここでは全ての憲兵は至極まともで穏やかで人間味あふれる存在として描かれる。上原謙は弟の海軍軍人の日米の早期開戦論を聞き流し、友人の陸軍参謀の前線への移動を、あれこそ本当の軍人だと誉める。
また防諜でも憲兵は少しも活躍しない、上原謙は規則の前にアメリカスパイの旅行を阻止できず、彼がするのは芸者に懸想し自分の代理を頼むだけである。更に傷ついた芸者の見舞は妻にやらせる卑劣さも示す。
憲兵司令部の細かい指示を受けたと思われるこの作品では、憲兵は実際とはおよそ正反対の存在として描かれ、それを強調せんがためひどく頼りない存在になったと思われる。
娯楽映画としても、描かれるのは上原謙と友人たちとの穏やかな団欒や、アメリカスパイと芸者との緊張感に欠けるやりとりのみが目立ち、ハーイが裏の筋として読む憲兵の芸者への恋も、あまりに単純にすぎて楽しめない。
これ以前の防諜ものでは怪人二十面相の如き極端な活劇があり、それへの反省として作られたようにも思われるが、娯楽映画としても憲兵の宣伝としても活劇であるべきだったように私は思う。
この映画を21世紀の今評価するのは大変難しい、なぜならその娯楽性の評価=観客が楽しんだか否かで全てが変わるからだ。
今普通に観賞すると娯楽映画としてもプロパガンダとしても、失敗作としてしか眺められない。
この映画には日本におけるスパイ映画の歴史のなさ故の物語の拙さ、松竹の得意な女性を中心に据えた物語作りの失敗、プロパガンダ映画への娯楽性の入れ方の失敗、対スパイ活動宣伝での実際の活動描写の失敗などしか見えてこない。
また映画への権力(憲兵)の介入(統制)の観点からも、ありきたりな失敗としか見えない。
しかしハーイによれば公開当時、割合観客を集め楽しまれているという。
当時はスパイものとしてのしまりのなさより、女性でもお国の為に役に立てることの感動、あるいは女性の犠牲による祈願の成就という親しみのあるテーマが抵抗なく支持されたのではないだろうか。
また現実の生活で軍部や憲兵の厳しい指導・指示をうけていた観客は、せめて映画の中では優しい親しみのある姿を見る事の方を喜んだのではないだろうか。
とすれば監督と憲兵司令部の狙いは成功であり、娯楽映画としても防諜活動宣伝映画としても成功したのではないだろうか。
当時の、評論家ではないごく普通の観客の反応がつかめない今、この映画の評価は大変難しいように思う。 満映の映画もビデオで見られるのね、
満州の記録1 映像の証言 迎春花
満州の記録2 映像の証言 晩香玉
満州の記録3 映像の証言 皆大歓喜
+私の鶯
図書館にあるから見に行こうと。 「最後の帰郷」 1945 田中重雄・吉村廉
呪われるべき特攻映画。
戦時中に既に特攻を描いた映画があること自体が私にとっては衝撃だったが、この映画の特攻隊員の非常に明るい雰囲気と、
出発する彼らを日の丸の旗を振って送り出す子供達を見ていると、本当に60年前の狂気を感じる。
この映画は昭和20年7月に公開され短命に終わったが、もし原爆がなく
11月のアメリカの本土上陸まで時間があれば、日本人はもっと多くのこういった、「死を正面から賛美し、肯定する」映画を
記憶していたに違いない。
事実ハーイはいくつかの製作されたか製作中だった特攻映画をあげている。
日本の戦前の戦意高揚映画は厭戦的だという見方は、この映画を見ているとなんの意味もないことがはっきりする。
60年前の時点で日本人は戦争には死がつきもであることが常識だったので、
こういう死を前提とした映画が、戦争を推し進める為にごく自然にできてきたようだ。
そして戦争最終盤の戦意高揚とはまさに観客に息子の死を覚悟させることであり、
映画を見た観客が、死ぬ直前まで笑顔で平静であり、
そして淡々と死んで行く事が当たり前だと思わせることが必要だったのだな、と理解できた。
映画が悲しげでありながらまるで神仏にすがるような表情で特攻隊を見送る母親を見せつけることで、
やがて国民全員の死を意味する本土決戦を可能にする、恐ろしい戦争プロパガンダであったことがわかる。
平和主義者や戦争を外交の一部だというリアリストには、戦前の国策映画は全てが呪われるべき映画であり、
見る価値はないだろう。しかし、もし怖いもの見たさで見るのならば、その見せかけの厭戦気分や中途半端な景気づけで
「陸軍」や「ハワイマレー沖海戦」を見るより、
この本当に国民の命を海の藻屑にして平気な映画を見る事の方が為になるのではないだろうか? 試みに「 皆大歓喜 」借りてきたんですが、これ字幕がないのね!
うえーん、中国語じゃわかんないよう、定価15000円位なのになんたる手抜き。 >183
母親、最後までそれなりに悲しげだったと思ったけど 177ですが、ひつこく調べると戦時期など昔の日本映画のビデオは
大都市圏ならば(東京、大阪、福岡、京都など)どこかの図書館がかなり大量の保有しているのね。
やっぱネット時代だわ。 >>183
どっかのコピペですか。
とにかく映画でプロパガンダされなくても一億玉砕の覚悟はできておりましたよ。 日映の戦記映画を見る。
「東洋の凱歌」は澤村勉が脚本・編集をしていて、なかなか面白い。
フィリピン、マニラの港湾でバターンの戦闘などどこ吹く風と涼むアメリカの混血児=ほとんどアメリカ人
ということで、J・フォードの真珠湾攻撃を思わせる。
ドキュメンタリーがまさに手を加えぬ事実ではなく、劇映画と同じような
意味を持っていることがわかった。 「南海の花束」 東宝 1942.05.21 阿部豊
民間郵便航空機の南方新空路開拓をめぐるロマン。
民間人の話で軍人は一人も出てこないが、南方空路開拓は国家間の競争であることは明確に述べられている。
最初に出てくる航空艇は単発の2人乗だが南方空路用は4発の大型機で迫力がある、公開時はこの大型飛行機の絵だけでも観客の感銘を誘ったかもしれない。
戦後の石原裕次郎主演の「紅い翼」などに先んじる、近代的な産業の発展と個人の冒険ロマンが重ねられる魅力的な話。
その裏に南方への進出という国策があるがそれは強調されず娯楽的に楽しめる。
この映画の面白みが現代に通じる要因は、検閲下の戦争映画の悩みだった主人公たる対象(ここでは航空艇)に困難を与え、それを乗り越えられるか否かという、クライマックスが用意されている事だろう。
2回も航空機の遭難が描かれ、海軍自慢の4発大型機も荒天で墜落してしまう描写があるのが勇気がある。ただそのクライマックスも遭難現場に花束を投げるというやや感傷的なものであるのは残念だ。
今でも面白い話だと思うが今日的見方では、劇的な盛り上がりに欠けるのが残念だ。その原因は、(主人公に恋する美しい娘が出てこないのは除き)俳優と人物描写の魅力不足に思われる。
空路開拓になぜ危険を犯さねばならないかは、戦後の日活作品では裕次郎の魅力で押し切れたが、この映画の主人公、鈴木伝明にはそこまでの魅力がない。さらに人物描写を見れば
@主人公の鈴木伝明に個人的エピソードがなく、彼の人間的魅力を作劇上で作れていない。彼の意志の強さは軍国的な精神主義によく似るが、それを強調する台詞がない一方、
荒天で飛行した機の事故など彼自身を尊敬に足る人物とする背景が足りない。彼の強い意志はただの社の方針と取られる可能性がある。
A上記に代わる物語の推進役は空路開拓へのロマンと、操縦士仲間の暖かさだが、公開当時はよかったかもしれないが、現代の観客にはどちらも不十分だ。仲間内の暖かさは当時はよかったかもしれないが60年後の現在は華がなく冴えない。
ハーイはこの映画では南洋の島の現地人(土人)が絵的な背景のみであり、無視している事に批判的だが、それは政治的公正さの求めすぎており、このままで至極妥当に思われる。
この話の内容では当時でも今でも主人公は日本人であり、現地の文化の理解や交歓は必要とは思えない。 そして、「私の鶯」 満映+東宝 1938 島津保次郎 音楽:服部良一
・隅田(黒井旬)、満州の日本人、ロシア人を助ける
・隅田の娘(李香蘭)幼い娘やがてマリヤと呼ばれる歌姫に
・デミトリ(ワシーリー・トムスキー)ロシア人一行を率いる座頭バリトン、
ロシア聖教大教会の目立つ異国的ハルピンを舞台に、ほとんどロシア語の歌劇団を軸にした珍しい映画。歌謡映画としての娯楽性と満州事変で日本人も被害にあった、日本は優れたよい国であるという国策的な宣伝の混合している。
歌自体はかなりレベルの高いもので楽しめるし、ロシア人俳優の演技も悪くない。マリヤを探すくだりの説明が下手でわかりずらい事、各歌劇の演出がうまくなく、せっかくの面白い題材を生かしきれていないのが残念だ。
ネットではたちまちhttp://www.m-omura.com/masa/mokugi.htm
などのような評を読め、
「監督の島津保次郎が来日したハルビン・バレエ団の舞台に感激し、親友岩崎昶とミュージカル映画の夢について語り構想を練っていたことから始まる。
そして二人のパトロン的存在だった東宝の製作担当重役、森岩雄の政治力で、東宝と満映に働きかけた結果、満映作品という名目として製作にとりかかった」という経緯が読める。
疑問1:私の鶯はなぜ満州で上映禁止になったのか
「満映」の胡昶らが書くようにこの映画は確かに娯楽絵映画だが、同時に国策映画であることも明らかだ。満映自体が国策会社であり理事長が甘粕だったことを考えると、企画時点で上映可能か否かは明らかだったのではないか?
考えられる仮説としては満映+関東軍側では上映に向くものと認めたが、本土の軍部情報局が難色をしめした為上映されなかったというのは考えられるのではないか。
どのような内容が国策映画として正しいかは、当時も今も簡単に割り切れない問題と思われるからだ。 「熱風」 東宝 1943 山本薩夫
生産増強という地味なテーマのこの映画は、私には映画的最もよくできた国策映画に思えた。
困難な問題も精神主義で克服するという、おなじみのテーマはベテラン工員の死を越えて、ダイナマイトを仕掛けることで、すごくダイナミックに表されている。
その直前にはまるでアメリカ映画のような合理主義者の技師と主人公との殴り合いがあり、勿論最後は笑って突貫精神に合意する。
主人公を支える女性が2人もあり、これもモダンな原節子と日本的な花井蘭子が用意されてるのが、面白い。
勿論成功の暁には藤田進らしい、不器用だが実直なしぐさで恋人(勿論日本的な花井)の所に報告にくるのが微笑ましい。
絵的にもドラマチックだ、冒頭の潜水艦の攻撃場面や捕虜、最後の戦車、そして巨大で荒々しい製鉄所の内部と、迫力ある画面をつくっている。
戦後、反対の社会主義的立場で映画を作る山本薩夫には、社会的テーマを、アメリカ映画のようにかなり大胆に脚色し、仕掛け、見せる才能があることがわかる。
そこにはイデオロギーが何かはあまり関係なのだろう。 今時こんな映画に関心をもつ人って何がいいの?
戦時下でも鴛鴦歌合戦みたいな映画はいいけど、国策映画はやっぱりおかしい。
でも、もっとおかしいのはそういう国策映画を眺めて、戦争協力という本来の目的以外の部分を取り上げていいとか書く人ね、
戦争映画を喜んで見る人も何を楽しんでいるか疑ってしまうけど、こんな映画に関心を持つ人は自分が何に関心を持っているか確かめるべき
いろいろ言い訳はあるだろうけど、その底には結局戦争協力という本来の効果を楽しんでいるのですよ。
「日常の戦ひ」 島津保次郎 東宝 1944
銃後の心得を説く戦勝協力映画。
驚くべき事に、息子や夫の怪我や戦死の知らせを受け取るシーンがある
そして父や妻は、相当深刻な悲しみを演じる。
昭和19年では戦死者はもちろんたくさん出ているが、映画にこういうシーンがあるとは・・・。
勿論、戦死を乗り越えて国債を買ったり、夫に寄り添うため飛行機を生産することが動機付けられるのだが。
兵士になると死ぬから嫌だでは反戦にならないのが戦前の映画か。 昨日「わが青春に悔いなし」を見直したが、
国策映画でのスターが3人そろい踏みしているのでいまさらながらに驚いた。
国策映画では
藤田進:豪快勇な真の軍人、または誠実な勇気ある愛国者
原節子:軍国の姉または軍人の妻、軍人を優しく見守る
大河内伝次郎:全ての責任を負った上で優しく指導する将軍または責任者
戦後すぐに撮られたこの映画で、まるで逆の映画でまるで逆の役をしている。
この映画を見た人は内容以上に、彼らのイメージの違いに眩暈を感じたのではないだろうか。
監督や脚本家は直接観客の目にさらされないから、変節はやりやすいが、
彼らスターは180度違うイメージで見事観客に受け入れてもらったのは、驚くべき事だ。
日本人が如何に変わり身が早く、節操がないかの一つの例ではないだろうか。 >>194
どうせおまえみたいなやつがハリウッド製最新米国国策宣伝映画に踊らされるんだよ
戦前の映画の再評価も必要なんじゃないのか、「満映」とかいう本も出てるし。
問題は誉めるときに、なんと言ってほめるかだよね。
何せ満映のフィルムは人民日報は「文化侵略の映像証拠」と呼んでる、
今の人が受け入れやすい価値観を与えなければ、けして日の目はみないよ。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています