京都大が女性教員の採用に本腰を入れ始めた。国立大学協会の調査で2017年以降の毎年、女性教員の比率が「旧7帝大で最下位」という、不名誉な記録が続いてきたことが背景にある。今春、14・4%(5月時点)の比率を27年度に20%まで引き上げる推進計画を打ち出し、「アメとムチ」を使い分けて学部・研究科に女性教員の採用を促している。

学内では「今後は『女性限定採用』にするほかない」との意見もある。
 約100人の教員を抱える自然科学系研究科の女性教員比率は3%(3人)。大学側からは「27年度までに11人増の13%に引き上げ」が求められており、毎年2〜3人の女性教員を募集する必要がある。
 この研究科は准教授、講師、助教の採用で女性限定にすることを決め、7月初旬に実行に踏み切った。

 京大は、女性限定公募を決めた学部・研究科には、女性用休憩室などの設備を整える経費を補助する制度を新設する。こうした「アメ」により、施策が推進しやすくなることを狙う。

 一方、「ムチ」も用意されている。学部・研究科ごとに設定された数値目標が達成できなかった場合、定員の削減に踏み込むというペナルティーだ。推進計画の中間段階で目標達成困難と考えられる学部・研究科で原因を精査し、支援する方針だが、ここまでしないと、機運が高まらないという危機感の表れでもある。

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