特願2018-085824、発明者はO澤だけなんだけど問題かも。

この出願で新規性喪失の例外を申請している。
出願日前に自ら発明を公表したらその発明は新規性がないので特許が取れない。
但し、出願時に例外申請と証明書を提示すれば自らの公表については審査で除外してもらえる。
この証明書で出されたのがNeuron as an Agentという論文だけど、O澤以外にAkuzawa氏、Matsushima氏、Bezerra氏、他に松尾豊先生を含む4名が共著者となっている。
つまり、新規性を失わせた論文には発明が記載されておりO澤を含む8人の共著者がいるんだけど、特許出願の願書にはO澤しか発明者として記載していない。

発明者とは、発明が完成するまでに実質的な貢献をした人(技術アイデアの創作の貢献に限る。研究室を使わせてあげたとか、発明をシミュレーションした人などは発明者にならない)は、共同発明者として出願しなければならない(特許法38条)。
違反した場合、拒絶理由および無効理由になる(法49条、123条)。

弁理士も通常は行わない申請をするから共同発明者はいないか確認したと思うんだけど、O澤はこの出願の請求項に記載した発明は100%自身の着想・創作と言ったんだろう。
論文には課題、手法の提案、シミュレーションなどがあり、各共著者が部分部分で共同で検討したり作業したり執筆したりしたと思う。
その中で発明に関わる部分(主に手法の辺り)をO澤が一人で全部検討し完成させたかどうか疑わしい。

共同発明違反なんて審査官には分からない(一人で発明したのか、共同で発明したのかなんて、発明者側でしか認識できない)ので拒絶理由にはならないだろう。
論文の共著者がどう考えるかだな。
もし、発明完成に他の共著者の貢献があれば、こんな不義理をした者を学問の世界は永遠に受け入れないだろう。