化学エネルギー(反応熱)というものは、要するに分子が持っているエネルギーの差で、
このエネルギー量のことをエンタルピーという。
これは力学で言うところのポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)とよく似ている。
エンタルピーが高いものから低いものに変化すると、その差が熱として放出される。

エンタルピーはなんで決まるかというと、要するに電子のポテンシャルで決まる。
簡単に言うと正電荷の原子核と負電荷の電子が離れれば、エネルギーが大きくなる。
その電子状態は量子化されていて単純な距離ではないが、いずれにしても電子の状態で決まる。
これが狭い意味での「化学エネルギー」である。

もう一つ、反応の進行を決定する因子に「乱雑さ」がある。
乱雑さが増大すれば、エネルギーが低いところから高いところに移すことができる。
これを吸熱反応という。
吸熱反応では、蒸発みたいに必ず目で見てわかるような乱雑さの変化がある。
乱雑さを示す物理量がエントロピーであり、この因子がエネルギーに逆らうかどうかは
温度で決まってくる。
これを総合的に考えるのが「自由エネルギー」という概念であり、実はこれが化学エネルギーの本質。