独立行政法人を含む国立研究機関の職員へのアンケートで、組織上の問題として「事務手続きが煩雑すぎる」と感じている人が
約7割に上ることがわかった。アンケートを実施した担当者は「研究者が書類作りに追われ、国際的な科学競争力低下の一因になっている」としている。

 アンケートは、国立研究機関の各労働組合による交流集会実行委員会が今年4〜6月、産業技術総合研究所や農業・食品産業技術総合研究機構など
約20機関の職員を対象に行い、837人が回答。6月29日に茨城県つくば市で開かれた集会で調査結果が公表された。
 組織の問題について複数の選択肢から選んでもらう設問では、「手続きが煩雑」を挙げた人が最多の68%だった。次いで、
「現場の声が組織運営に反映されない」「物品の調達に時間がかかる」がいずれも51%だった。
 自由意見の欄では、事務手続きに手間がかかり、「研究や論文執筆の時間がなくなる」「研究の足を引っ張っている」などの声が寄せられた。
多くの書類や判子を求められ、「日本的な手続きに外国人研究者がなじめない」といった意見もあった。
 実行委副委員長の福山康弘・産総研主任研究員は「コンプライアンス(法令順守)重視で求められる手続きや報告が膨大になっている。
書類作りで丸2日かかることもあり、効率化を図ってほしい」と話した。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20180729-OYT1T50048.html