理学部が数学教室、物理学教室、化学教室、生物学教室、地学教室で構成されているとして、
物理学教室の准教授が他大学の教授に栄転し、新たに准教授公募をすることになったとき、

当然ながら民主主義的に多数決で人選するとして、
数学教室から2票(教授、准教授)、物理学教室から1票(教授)、化学教室から2票、生物学教室から2票、地学教室から2票が入る。
合計9票

選考委員会の委員長には物理学教室の教授が選ばれて、委員長が直接の知り合いを含めて何人かの候補に絞り込む。
たいてい3人ぐらいだろうか。

A氏は委員長の直接の知り合い、同じ出身大学・同じ出身ラボで、研究テーマも近いが、CNS級はゼロ、姉妹誌級が数本、その他Q1級が共著含めて20本程度。
B氏は全く面識のないアメリカ留学中の高齢ポスドク。委員長の研究テーマとはわずかに関連がある。CNS級2本あり、姉妹誌級10数本、その他Q1級が共著含めて30本程度。
C氏は生物学教室の大物教授と同じ出身大学で、研究テーマは委員長と全くかけ離れた他大学の准教授。CNS級はないが、姉妹誌級が数本で、その他Q1〜Q3級で100本近い。

委員長は当然のごとくA氏に投票するが、業績はもっとも少ないので、他の教室からの投票者は1名(委員長に媚びを売った地学教室の准教授のみ)。合計2票
業績のクオリティではB氏が突出しているが、投票したのは数学教室の2人と、地学教室の教授で、合計3票
生物学教室の2人はC氏に投票し、これに化学教室の2人も同調して、合計4票

結果的に、委員長と全く研究テーマに関連もなく、CNS級にも届かず、クソ雑誌を連発する准教授の採用が決まった。